野生動物救護、理解深めて 金沢動物園で見学ツアー
金沢動物園で5月18日、「エコ森教室 身近な野生動物の救護のお話」が行われた。これは、怪我や病気で衰弱した野生動物を治療して野生に戻す活動を一般に紹介するイベント。当日は24人が参加した。
同園に保護される野生動物は年間約400件。5月から7月にかけて、その数はピークに達する。巣から落下したり、飛び立てなかったりする雛鳥の保護が増えるためだ。飼育を担当する渡辺海咲(みさき)さんは「大抵親鳥が見守っているので、巣立ち雛を間違えて保護しないように気を付けて」と参加者に訴えた。また、人間の生活が原因で怪我を負ったり病気になったりする野生動物の症例や、保護・治療方法などを説明。特別に公開された動物病院では獣医が、誤って釣り針を飲み込んだミズナギドリのレントゲン写真を見せながら、処置の方法を説明した。
さらに、この日は盲目のトビや住宅の網戸にひかれて腕をなくしたコウモリなどが公開された。動物は適切な治療が行われた後、エサを自力で食べることができるか、運動能力に支障がないかなどの条件をクリアしたものから放野される。
葉山町から参加した島野紗帆さん(9)は「獣医になりたいので興味があった。怪我をした野生動物を見かけたら、この経験を生かして対応したい」と話した。渡辺さんは「保護する際に、自然で生きられる程度か、人間が治療を施すべきか考えるきっかけになってほしい」と話していた。
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