ICT化する教室、区内にも 整備進まない現状も
国は2020年を目途に、全国の児童生徒に情報端末を配布することを目標に掲げた。佐賀県武雄市も市内小中学校の全児童生徒約4千人に、タブレット型端末を配布すると発表。教育現場のICT(情報通信技術)化への関心が高まる現在、金沢区内の公立中学校でもICTを導入しようとする動きがある。
教室に設置されたテレビから聞こえる英語に続いて、生徒が発音する。金沢中学校(山崎健志校長)の授業の一場面だ。
同校は昨年8月から、校内情報配信システムを独自に導入。職員室に置かれたサーバーに、授業で使用する教材のコンテンツや画像、映像などのデータを入れると、校内LANを通して各教室に配信。テレビに出力できる。英語科では発音や歌、体育科ではダンスの授業を撮影した映像を配信するなど、学習の様々な場面で活用している。「授業をより楽しくというのが目的。一人の気付きをクラスや学校全体で共有させたい」と北見俊則副校長は話す。例えば各グループで結果が異なる理科の実験の場合、結果を画像にしてクラスで共有することもある。
国語科の土屋京子教諭は「朗読を聞かせる時にカセットデッキが不要になった。視覚的に学べるので生徒も集中するようになった」と話す。授業の事前準備時間を短縮できたという意見もある。同校はこのほか、毎朝、各クラスに向けて1日の連絡事項を配信するなど電子掲示板としても利用。今後も活用方法を模索し、学校生活に取り入れる予定だ。
「活用しきれていない」
横浜市教育委員会は09年から、公立中学校を対象に、校内放送を行う放送卓の代わりとして校内情報配信システムを順次設置している。既に市内62校、区内は3校に導入された。しかし放送室に設置されるケースが多く、現場からは「あくまで放送卓の代わり」「あまり使っていない。未だにカセットデッキを持って授業に行く教師が多い」などの声が聞かれる。一方、「研修会を開いて授業での利用を促進したい」という前向きな回答も挙がった。
進むICT化について市は「タブレット配布などはすぐには難しい。情報の安全性に考慮し整備していきたい」としている。
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