記者が訪ねる かなざわの名刹 第26回 称名寺塔頭 光明院
称名寺の参道を歩き、仁王門の手前までくると、赤い前掛けをしたお地蔵さまの姿が見えてくる。その背後、趣のある茅葺きの山門を擁するのがこの寺だ。
かつて称名寺には、一の室院、大宝院、阿弥陀院、海岸尼寺、そしてこの光明院を加え、5つの塔頭(山内寺院)が存在した。江戸時代後期には、この寺がその筆頭とされていた。
先述の山門は、1665(寛文5)年に建立されたもので、横浜市指定有形文化財。現存する市内の建造物の中で最古とされる。
ここを舞台にした大ニュースが報じられたのは6年前。1998年に見つかった「大威徳明王坐像」が、鎌倉時代の仏師・運慶の真作であることがわかったのだ。6つずつあるはずの手足はほとんど失われているが、鬼気迫る力強い表情は、彼の作風そのもの。半世紀ぶりの大発見となった。運慶と鎌倉、そして金沢をめぐる歴史ロマンが詰まったその作品は、県立金沢文庫で保管されている。
【本尊】地蔵菩薩
【宗派】真言律宗
【住所・電話】金沢区金沢町212の1 【電話】045・701・9573
(資料・金沢区仏教青年会
「かなざわ霊場めぐり」1994年)
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