連載 かねさわ地名抄 第27回「谷津(谷津坂)」 文・NPO法人 横濱金澤シティガイド協会
広辞苑によると「谷」をやと、やち、やつと呼ぶ地名は特に鎌倉付近に多く、アイヌ語の「低湿地」を意味するとあります。地理学者の松尾俊郎氏は「谷をヤツまたはヤトと読ませる場合もあれば、ヤトに『谷』を当てたり、ヤツまたはヤズに『谷津』を当てることも多い」としています。1982年市民局発行の『横浜市の町名』によると、横浜の町名の特徴として「谷戸」(丘陵地にできる谷状の地形)と「埋め立て」にちなむものが多いそうです。
■区内にある「谷津」
【1】谷津町…古くは久良岐郡金沢町の中にあり、36年に横浜市に編入した際「金沢谷津町」ができました。その後金沢谷津町の一部から谷津町が新設されました。
京急金沢文庫駅から北西の方向、浅間神社のあたりが典型的な谷戸であったことから命名。谷津川や所々の谷水を使って田畑を耕作していたことが記録に残っています。現在の谷津町は、内海の埋立地も含めてかなり広くなっています。
【2】谷津川(管理区分上、河川ではなく水路)…かつては、現在の堀口、片吹あたりの谷から流れ出たいくつもの細かい水流が集まって西柴中学校付近まで坂を下り、その後緩やかに谷津二の橋(金沢文庫駅の北側1番目の踏切付近)の辺りで瀬戸の内海に注いでいました。
現在は、アピタの少し南で宮川に合流しています。土木事務所によると、左支流が土管で西柴団地の下を走っていますが、誰も確認は出来ないそうです。
【3】谷津坂…バス停、谷津坂南公園、市営谷津坂住宅、県営谷津坂住宅に名が残っていますが、由来は残念ながら不明です。
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