金沢区は8月8日、区内の基幹7病院と「災害時医療体制の充実強化に向けた協働に関する覚書」を締結した。災害時の医療提携について、区内全病院と区役所が覚書を締結したのは横浜市内初の取り組み。
金沢区には2つの災害拠点病院(横浜市立大学附属病院、横浜南共済病院)と5つの災害時救急病院(神奈川県立循環器呼吸器病センター、金沢病院、金沢文庫病院、済生会若草病院、横浜なみきリハビリテーション病院)がある。この覚書は、これら7病院と締結。医療救護隊の参集拠点としての協力体制や訓練の実施などについて協働し取り組むことを目的にしている。
医療救護隊とは、医師・薬剤師・看護師らで編成され、災害発生時に地域防災拠点などの避難所に対し巡回診療を行う。現在、区内では診療所などの医師144人、薬剤師85人、看護師13人が登録されており、災害時にどの地域防災拠点に行くかがあらかじめ決められている。
7病院は平常時から救護活動に必要な薬剤や縫合セット、注射器などを保管。災害時には医療救護隊が参集拠点として病院の一部施設を使用できるよう協力していく。「東日本大震災では、多くの軽症者が病院に押し寄せ混乱した。重病者は病院へ、軽症者は防災拠点への巡回診療で対応する体制を整えていきたい」と区福祉保健センター福祉保健課の担当者は話す。
また、通信インフラが途絶えた場合に備え、各病院と地域防災拠点、区災害対策本部、三師会などを結ぶ複数の機器を用意。各病院に衛星携帯電話とMCA無線機を配備したほか、アンテナ内臓のPHSや簡易デジタル無線も活用していくという。
災害時医療体制の充実強化を図るため、こうした取り組みを2012年から検討してきたのが、「金沢区災害医療連絡会議」だ。メンバーは7病院の病院長、医師会・歯科医師会・薬剤師会の会長、区役所、消防、警察など。今後も年1回程度開催していくほか、災害時は必要に応じて開催し、医療関連情報の収集と情報共有に努めるという。「12年、13年と会議を通し、体制を整えてきた。今年からは実際に出来るかどうか、訓練を通して確認していく」と区担当者。今年冬には、初動体制の確立や通信機器の受伝達訓練など発災時を想定した初めての訓練を行う予定だ。
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