金沢区内の金融機関による振り込め詐欺の防止件数が、県内最多の28件だった(10月末日現在)。金融機関が高額引き落としの顧客に声を掛け、場合によっては警察に通報することで、防止件数が上がっている。一方で、ATMを使わせる新たな手口が増加している。
金沢区内の振り込め詐欺被害件数は9月末現在で21件で、昨年同月に比べて33件減少している。
減少の鍵となっているのは、金融機関による未然防止だ。金融機関が防止した件数は28件で県内では最も多い。
声掛けの徹底が効果
同署は各金融機関に対し、詐欺が疑われる場合にはすべて通報してもらうよう依頼。高齢者が高額の引き落としを行う際は用途を聞き、判然としない場合には警察に連絡してもらう。警察官が直接顧客と話すことで、詐欺の水際防止に努めている。
開始したのは昨年の5月頃。同署職員が区内の全金融機関に訪問して依頼した。通報は徐々に徹底され、現在は1日に平均12、13件の通報が寄せられているという。
さらに高齢者宅訪問も並行し実施。詐欺の注意喚起のほか、金融機関で声掛けがあることへの理解を求めている。
「ATMへ誘導」増加
窓口での未然防止が増えている一方で、増えているのはATMに誘導して振り込ませるパターンだ。同署の担当者は「窓口での防止が増えているため、それを回避しようとしているのではないか」と話す。
区内で特に多いのは、息子や孫を騙る人物が「友人の借金の保証人になった」という電話をかけてくるもの。「すぐにお金が必要」と急かしATMに誘導して入金させる。9月末までに発覚した振り込め詐欺21件のうち、13件が該当する。
同署は、金融機関に対してATM利用者に対する声掛けなどを依頼しているが、無人ATMもあるため完璧に防ぐことは難しいという。同署担当者は「まずは息子や孫を騙る人から電話があれば、いったん切り、かけなおすことを徹底してほしい」と話す。
4金融機関に感謝状
区内の金融機関が詐欺防止に努める中、10月中に4金融機関で詐欺の未然防止があり、10月28日に感謝状の贈呈が行われた。
功労者は次の通り。▽邊見誠二さん(横浜銀行金沢文庫支店)、井坂一帆さん(横浜六浦川郵便局)、坂本幸男さん(三井住友銀行金沢文庫支店)、小野寺絢香さん(三菱東京UFJ銀行金沢文庫支店)
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