在宅医療の取り組みが進む中、厚生労働省が7月6日、自宅で死を迎える「自宅死」の割合について、市区町村別の統計を初めて公表した。自治体間の格差が明らかとなり、横浜市は16・3%で全国平均の12・8%を3・5ポイント上回った。全国20政令市で5番目に高かった。
2014年の人口動態統計を基に死亡者全体のうち自宅で死を迎えた人の割合を示した。全国1741市区町村の統計を明らかにしたのは初めて。全国で在宅医療の推進が図られる中、自宅死の割合は取り組み具合の目安になる。
日本の自宅死の割合は1950年に80%を超えていたが、医療機関の増加や核家族化に伴って減少し、2010年以降は約12%にまで激減した。ただ、内閣府が12年に行った高齢者の意識調査では「最期を自宅で迎えたい」と55%が答え、終末期看護の1つとして自宅で看取られたいという人が半数以上を占めた。
全国の政令市をみると、神戸市が18・1%で最も高く、次いで17・7%の仙台市、16・8%の川崎市、16・5%の大阪市と続き、横浜市は5番目だった。最下位の北九州市は8・7%で政令市間の格差は2倍あった。県内の市町村をみると、人口が少ない山北町が24・3%で最も高く、次いで22・9%の横須賀市。最も低かったのが開成町で3・5%だった。市部で高く、町村部で低い傾向を示し、県内でも差が浮き彫りとなった。
医師会「一定の評価」
横浜市医師会の常任理事で在宅医療担当の増田英明氏は横浜市の結果について「自宅死には様々なケースがあり、詳しく分析する必要がある」とした上で「これまでの取り組みの効果として一定の評価ができる結果ではないか」とし、「高齢化の進展や病床数を考慮すると、横浜市は30%をめざす必要がある」と話す。
横浜市と医師会は協働し、全区に在宅医療連携拠点の整備を進めてきた経緯がある。医師や在宅介護を担うケアマネジャーを支援し、在宅医療・介護連携の強化を図っている。
市医療局の担当者は「今後、後期高齢者が増えていく中、家族の介護力に期待することは難しい面がある一方、病院でみることも難しい。医師会と連携してさらに在宅医療を進めていきたい」と話す。
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