横浜市はラグビーW杯2019や東京2020五輪・パラ五輪に向け、外国人観光客などに対し観光・災害時にも利用しやすい無料Wi―Fi(※)スポット整備を進めている。「観光」を主要施策の1つに掲げる横浜市だが、市が主導する整備は緒に就いたばかりだ。今後の取り組みなどを取材した。
4カ所に無料スポット
神奈川県外国人観光客実態調査(17年3月付)によると横浜市は、鎌倉市の次に外国人客が多い県内の人気訪問地。さらに、横浜市内での通信手段として無料公衆Wi―Fiの利用が3人に1人以上の割合を占めており、外国人客への通信環境向上の取り組みが自治体の課題になっている。
このような状況下、市は2月下旬から東日本電信電話(株)神奈川事業部(NTT東日本)らと協力し、無料の「YOKOHAMA Free Wi―Fi」の提供を開始した。大手コンビニや市内ショッピングモールなど民間企業は既に無料Wi―Fiを導入しており、市は来街者の多いみなとみらい周辺で環境を整備した。
具体的には外国人観光客が多いJR桜木町駅前や日本丸メモリアルパークなどの4カ所に無料スポットを設置。今年度中に臨港パークなど2カ所でも運用を始める方針だ。このほか、横浜都心部の主要駅や新横浜駅周辺地区で案内サインを活用した無料Wi―Fi整備も模索しており、市担当者は「ラグビーW杯までに無料のエリアを増やしたい」と話している。
自治体間で温度差
同様の取り組みは外国人客に人気の鎌倉市でも始まっており、屋内、屋外含め、46カ所の一覧地図や登録方法をまとめた英語版パンフレットを作成し、利用を促している。また、オリンピックを3年後に控えた東京都では2年程前から「FREE Wi―Fi&TOKYO」の運用を開始。英語・中国語・韓国語対応のWebサイト上で無料スポットの位置や登録方法を分かりやすく表示している。
自治体間の取り組みに差があるのが実状だが横浜市担当者は「外国人客が横浜を回遊できる環境を整備していきたい」と話している。
※無料Wi-Fi…スマートフォン、パソコンなどの機器を無線ローカルエリアネットワーク(LAN)に接続し、無料でインターネットを利用するサービス。
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