横浜市がごみの総排出量削減等に取り組む「ヨコハマ3R夢(スリム)プラン」で、温室効果ガス(CO2)の削減目標が達成困難であることが分かった。市は目標とかい離している状況を受けつつも効果的対策はなく、苦慮している。
ごみ総量は漸減
3R夢プランは、ごみのリデュース(発生抑制)、リユース(再使用)、リサイクル(再生利用)を推進し、環境負荷の低減を目指す長期計画。2009年度を基準実績とし、25年度までにごみ総排出量を10%以上削減、ごみ処理に伴い排出される温室効果ガスを50%以上削減することを目標としている。17年度は14年度から始まった第2期推進計画の最終年度で、ごみ総排出量5%以上、温室効果ガス25%以上の削減が目標だ。
16年度のごみ総排出量は122万905tで、基準実績127万5444tと比べて4・3%の削減。市の人口が増加していることや、市民1人あたりが出すごみの量が減っていることも踏まえると順調に漸減している。市資源循環局は「ごみの分別意識が定着し、市民が協力してくれている結果」と話し、第2期目標の5%以上の削減に向けて一層努力していくという。
プラ分別に課題
一方、目標から大きく離されているのが温室効果ガスの削減だ。温室効果ガス排出量は、ごみ総排出量とリンクして減っていくと想定されていたが、16年度の温室効果ガス排出量は27・1万tで、基準実績28・2万tと比べて3・9%の削減にとどまっている。第2期目標の25%以上の削減は現実的に困難な状況だ。
排出される温室効果ガスの約9割が、ごみ焼却時に発生しており、中でもプラスチック類の焼却が主要因。そのため同局は、家庭の燃やすごみに混入しているプラスチック製容器包装や、事業所から排出される産廃プラスチックの分別を呼び掛けるなど対策を続けている。しかし、分別対象外で燃やすごみとなるプラスチック製品も多い。現時点では同局としてその対策まではできず、効果的な削減策はないのが現状だ。
現在、市は18年度から始まる第3期推進計画を策定中。同局は目標とのかい離を認めた上で、「達成に向け、市民や事業者の皆さんと協力して取り組んでいきたい」と話している。
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