台風21号が横浜市内を直撃した10月22日、金沢区富岡西で崖崩れがあった。7丁目では8世帯22人に避難勧告が発令。住民が町内会館へ避難するなどした。区内は土砂災害警戒情報の発表とともに避難勧告が発令される「即時勧告対象区域」が市内で最も多いことなどから、区は注意を呼びかける。
現場は富岡地域ケアプラザの裏側にあたる富岡西7丁目の一部。高さ10mほどの崖上に沿うように複数の住宅が建つ。住宅下の崖が幅約15mにわたり崩壊したとみられ、午後1時頃に住民から通報。市は午後2時30分に周辺住宅など8世帯22人に避難勧告を発令した。付近の住民によると「(崖が崩れる)音は聞こえなかった」という。
その後は消防署員、警察官らが対象の住民宅を訪問。近くの町内会館への避難を呼びかけ、数人が町内会館で一夜を過ごした。富岡西では3丁目でも崖崩れがあり、23日午前3時30分、8世帯10人に避難勧告が発令。7丁目、3丁目ともに人家被害はなかった。
現場付近のある住民は「地震や大雨の時などは怖い、心配という感覚がある」と話し、今後も災害への警戒を強めたいという。
「即時勧告対象」が最多
市は2014年に発生した台風で2人の死者が出たことを受け、大雨などで人家に被害を及ぼす可能性がある崖地の指定を進める。
地質専門家が行った崖の高さ、勾配、亀裂、建物の有無などの現地調査の結果をもとに抽出された土砂災害警戒情報の発表とともに市が避難勧告を発令する「即時勧告対象区域」の指定は市内112カ所(10月30日時点)。このうち金沢区内の指定は17カ所で市内最多。区は即時勧告対象区域にチラシを戸別配布するなどし、災害時の避難場所などを知らせている。
今回、崖崩れがあった富岡西7丁目・3丁目の一部は区内約170カ所ある「土砂災害警戒区域」に指定されるが、崩れた土砂による家屋への被害はないとされ「即時勧告」の地域ではなかった。区は即時勧告から外れた警戒区域においても、区報などを通じた周知を進めたいという。
台風21号の影響で市内では19件の崖崩れが発生。磯子区上町でも崖崩れがあり、避難勧告が発令された。
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