横浜市とソフトバンク株式会社は、昨年3月から8月に磯子区汐見台地区で行ったICTを活用した「ショートタイムテレワーク」の実証実験の結果を12月9日に公表した。子育てなどの理由で長時間勤務が困難な人を対象に実施。「働き手、雇用側ともに高い満足度を実感した」とし、今後多くの企業に新しい働き方として提案していく考えだ。
横浜市は2018年6月、国から「SDGs未来都市」に選定された。19年1月には、女性の活躍支援や超高齢化などのまちづくりの課題解決に連携して取り組むとして、ソフトバンクと包括連携協定を締結。実証実験はこの包括協定の一環として行われた。
ソフトバンクによると「ショートタイムテレワーク」とは、育児や介護、障害などの理由により、働く意欲や能力があっても長時間勤務、通勤が困難な人を対象に、ICTを活用し自宅やコワーキングスペースで短時間就業できる仕組み。
実証実験は、駅へのアクセスや汐見台福祉センターをコワーキングスペースに使用できるなどの理由から汐見台地区を選定。同地区の住民を対象に求人を出し、想定の4倍を超える応募の中から子育て世代の30〜40代の6人がパートタイマーとして採用された。3月から5月を汐見台福祉センター、6月は自宅、7、8月はどちらかを勤務地とし実施。6人は、各部署に配属され、本社とウェブカメラを常時接続し、顔が見える環境で週8時間程度勤務した。
充実感を実感
広告代理店やメーカーに勤めキャリアを積んだ有馬知子さんは10年前、結婚を機に仕事を辞めた。今回、子育てが一段落し応募。プレスリリースの作成や公式フェイスブックの記事作成など広報の仕事を担った。
有馬さんは、ショートタイムテレワークのメリットについて「帰属感」をあげ「オフィスとカメラでつながっているため、メンバーの一人として働いている実感が持てた」と話した。心の満足度があったことに加え、週8時間の勤務で主体的に勤務時間を管理できたと言及。突発的に休むことに対する後ろめたさがなかったこともよかったという。6人は、8月の実験終了後も勤務を継続している。
公表された結果では、働き手から「ブランクがあり不安があったが意欲が芽生えた」、「通勤の負担がなかった」など、満足する声が聞かれた。
一方、スタート当初、受け入れ側は短時間勤務や遠隔に対するマイナスイメージがあったという。ただ、仕事を進めるうちに「違和感なく一緒に仕事ができた」と肯定的な意見に変わった。
横浜市とソフトバンクは今後、多くの企業で活用できるように働きかけたいとしている。
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