神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS

すみなす会 障害者をショコラティエに 商品価値高め自立支援

社会

公開:2020年6月4日

  • LINE
  • hatena
落ち着いた雰囲気の店内
落ち着いた雰囲気の店内

 木目調の外観と手描き風のサイン、デザイン性が高くカカオの品質にこだわった多種多様なチョコが並ぶ店内――。障害福祉サービス事業所でありながらおしゃれな雰囲気を実現した「QUONチョコレート横浜金沢店」が4月下旬、富岡東にオープンした。「市場価値のある商品」を販売し続ける”稼げる店舗”で、障害者の自立支援を目指す。

 運営母体は社会福祉法人すみなす会。金沢地域活動ホーム「りんごの森」などの福祉事業を金沢区内で展開している。障害者の事業所が足りない現状を受け、3年ほど前から新規事業所の立ち上げを検討してきた。

 立ち上げの責任者だった黒田彩さんは、「当初はパンカフェを考えていた」と話す。だがパンの製造販売するりんごの森の利用者の工賃は月平均2千円弱。「これでは、いつまでも自立できない」と行き詰っていた。

 そこで黒田さんは昨年4月、障害者雇用の促進と店舗経営を両立するQUONチョコ(本店/愛知県豊橋市)を運営する夏目浩次代表にメールで相談。夏目代表と直接話す機会を得た。

稼ぐ機会与える

 「重度の障害者が稼げるような仕事をするのは、無理なのでは」と思い込んでいたスタッフに、夏目代表の話は衝撃だった。「障害者もお金が欲しいはず。稼ぐ機会も与えないで”できない”というのは、福祉人としてどうなのか」と問いかけた。「でも、どうしたらいいか分からない」と涙を流して訴えるスタッフに、夏目代表は「教えてあげるよ」と返答。横浜南部エリアにQUONチョコの店舗はなく、横浜の生産量を上げたいと思っていたタイミングだったこともあり昨年9月、フランチャイズ契約に至った。

 それでも「重度の障害を持つ利用者が、高品質のチョコを安定して作る」ことは、黒田さんらスタッフにとって高いハードルだった。レシピの工程を細分化し、利用者の能力を細かく再確認。「この工程は、この利用者に向いている」。そんな細かなマッチングを積み重ね、10人がチョコ製造に携わっている(定員は20人)。現在、本部の合格が出たのは、主力商品の「テリーヌ」3種。スケジュールを組んで、徐々に生産能力をあげていく予定だ。目指す利用者の平均工賃は3万円程度。黒田さんは「この作業所は、福祉のあり方を再考察するきっかけになった。今後も事業を通しすみなす会の理念を実現していきたい」と話した。

本まぐろ直売所

4/26~5/6は休まず営業、毎月第2・4土日は特売日!

https://www.yokosuka-honmaguro.com/

<PR>

金沢区・磯子区版のトップニュース最新6

こどもホスピスへ理解を

設立の動き全国各地で

こどもホスピスへ理解を

4月25日

謝金、倍額に引き上げ

特別支援教育支援員

謝金、倍額に引き上げ

ニーズ発掘し、人員確保へ

4月25日

「食」のシェア空間が完成

磯子区洋光台

「食」のシェア空間が完成

飲食店開業など支援

4月18日

障害者診療「限界近い」

横浜市歯科保健医療センター

障害者診療「限界近い」

二次機関拡充求める声も

4月18日

ランドセルを海外へ寄付

金沢区PTA連絡協議会

ランドセルを海外へ寄付

15の小中学校から352個

4月11日

公園すべて禁煙へ

横浜市

公園すべて禁煙へ

条例改正目指し、来春から

4月11日

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 4月25日0:00更新

  • 4月18日0:00更新

  • 4月11日0:00更新

金沢区・磯子区版のあっとほーむデスク一覧へ

イベント一覧へ

コラム一覧へ

金沢区・磯子区版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2024年4月27日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook