今週6月29日から放送を一時休止し、一話から再放送されているNHKの朝の連続テレビ小説「エール」。主人公のモデルとなった作曲家・古関裕而(1909〜89)は、日本歌謡史に残る名曲を数多く手がけたことで有名だが、横浜市立大学(金沢区瀬戸)の校歌も作曲していた。
横市大の校歌が制定されたのは1954年。西條八十(1892〜1970)が作詞している。
同校60年史の「校歌制作物語」によれば、53年に校歌作成委員会が設置され同年12月、「横浜市大新聞」で大々的に校歌を募集したとある。しかし1月の締め切り日までに集まった作品はわずか3点。委員会は締め切りを延期し、ようやく9点が集まったが、そのまま校歌に採用できる作品はなかった。
そこで、応募作品を素材として、当時の菊地豊三郎学長と交流のあった西條に作詞を依頼。また、作曲は西條の推薦で古関に依頼したという。
作詞作曲料は6万円
55年4月に発行された横浜市大新聞によると、作詞作曲料は6万円で、うち1万円を自治会が負担した。当時の公務員の初任給が8700円だったことから、現在の価値に換算すると130万円ほどになるという。古関の楽譜などは残っていないが、西條直筆の歌詞(コピー)=写真=は同校で所蔵する。
古関は福島県出身。高校野球の大会歌「栄冠は君に輝く」、東京五輪の行進曲「オリンピック・マーチ」の生みの親で、「君の名は」「モスラの歌」など、生涯5千曲あまりを作曲した。神奈川県にも古関の手がけた校歌・社歌は数多い。西條は「青い山脈」「蘇州夜曲」「王将」など無数のヒットを放った作詞家。
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