横浜市は、高潮・洪水・内水ハザードマップを一冊にした「浸水ハザードマップ」を2022年度中に全世帯・全事業所に配布する。近年激甚化する豪雨へ対応するため、昨年6月に内水ハザードマップの想定降雨量を1時間あたり76・5mmから想定最大規模の153mmに更新し、同マップを作成した。
金沢区は先行
ハザードマップは、被災想定区域や避難場所の位置などを示した地図。横浜市では、日頃から市民に風水害の備えとして同マップの活用を促すことで、地域防災力の強化に取り組んでいる。
今回、全戸配布される浸水ハザードマップは、今まで個別に発行されていた洪水と内水、さらに県の高潮浸水想定区域図から高潮ハザードマップを作成し一冊にまとめたもの。台風や大雨などで想定される災害情報を集約することで、市民が利用しやすくする狙いだ。昨年、金沢区と神奈川区、栄区には先行配布されている。
増加する風水害に備え
なかでも、内水については、近年台風や豪雨の風水害が各地で発生していることを踏まえ、昨年6月に想定条件を示す1時間あたりの降雨量を更新。過去に観測された関東地方の最大降雨量である153mmに改定し、豪雨への対策を強化した。
市が発行するハザードマップは、ウェブ上で公開しているほか、深刻な被害が想定される地域へ配布していたが、今回は、内水ハザードマップの改訂で対象が広範囲に及ぶことから、全世帯・全事業所の配布に踏み切った。この規模の配布は15年の土砂災害ハザードマップの配布以来。
浸水ハザードマップを先行配布している金沢区の西大道町内会では、過去、豪雨により下水口から泥流が噴き出す浸水被害があった。このため、昨年7月の全戸配布後、すぐにそのマップ情報を回覧。同マップで町内会館を事例に内水の被害予想を説明し、各世帯の状況を確認するように呼びかけた。同町内会の飯塚久典会長は「ハザードマップが配布されたことで、内水被害に注意が必要なことを住民に伝えられた」と話す。
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