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自在 アートと人で地域を再生「絵本カフェ」を交流拠点に
今井嘉江 ディレクター
横浜でアーティスト支援を担うＡＣＹの助成を受けて、昨年４月にギャラリー機能を兼ね備えたアート拠点「自在関内オフィス」を開設。日々アーティスト同士の交流の場や作品発表の場を提供し、ディレクターとして裏方に徹している。
石川町の下町で生まれ育った。お茶や日本舞踊、生け花などを習った子ども時代、家の襖や掛け軸、機械に頼らず腕一本で物を作り出す職人たち―。いわばアートが日常に溶け込んでいる時代だった。「アートは特別なものではなく、本来何気ない日常の中にあるもの。忙しい日々で忘れてしまいがちですが、思い出して欲しいですね」と微笑む。
縁側のような場所に
この春には元駄菓子屋だった実家をアートリノベーションして、地域の交流拠点をオープンする。改修段階からアーティストが関わり、彼らと地域をつなぐ場に、そして「絵本カフェ」として、大人から子どもまでふらりと立ち寄れる縁側のような場所にしたいという。「営利目的の施設ではないからこそ、地域みんなでアイデアを出し合って協力しながら作りたい。商店街の賑わいも取り戻せたら」。
長年自宅を開放した青少年育成や子育て支援などにも携わってきたが「元気ないけどどうしたの？という駄菓子屋のおばちゃんの一言だって立派な見守りになっていたんだと今は思う。このカフェも人々の心の拠り所になれば」。人情味溢れる下町のおせっかいおばさんとして、そんな古き良き街の風景を蘇らせたい。
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