神奈川芸術劇場(中区山下町)で8月15日から18日まで上演される舞台「iSAMU」。20世紀を生きた芸術家、イサム・ノグチに魅せられた演出家・宮本亜門氏が3年の創作期間を経て創り上げた。
そのイサム・ノグチを演じる横須賀市出身の俳優・窪塚洋介さん(34)に、舞台や役づくりなどについて聞いた。
※
「直感で『やる』と思った」。今回の舞台のオファーが来たとき、すぐにそう思った。芸術家イサム・ノグチの存在を初めて知ったのは高校時代。教室で偶然めくったデザイン雑誌に載っていたノグチ氏の作品を見て「なんで(名前が)カタカナなんだろう」と心に残るものがあったという。「今になって舞台の話が来て、何かがつながったかんじ」と妙に納得した。
実在した人物の役を演じるとき、その人を完全にコピーしようとはしない。「自分とその役、一番混ざり合った状態にもっていくこと」が「役づくり」につながると冷静に捉える。「大統領になるよりも、ぼくは、真実こそを追求する」。若き日のノグチ氏の言葉だが「自分も似たようなことを言っていた」と笑う。周囲の期待通り振る舞うよりも、自分が信じる道を追及する。「生い立ちは違うけど、ノグチさんが見てきた景色と僕が見ようとしている景色は、共通するものがあるかもしれない」。
現在俳優業と音楽活動の二足のわらじ。今後演じてみたい役柄については「やったことのない役なら何でも。新しい自分を発見できるなら受けたいと思う」と変化を受け入れる心構えは万全だ。ひとつの人生で、いくつもの人生を味わうことができるのが役者の楽しみだとし「『(全部終わった後で)一体いくつの顔があったの?』と思われたら、おもしろいことだと思う」と将来像を描く。
2カ月に1度、横須賀のドブ板通りで「卍LINE(マンジライン)」としてライブを行っている。全国区になった今でも地元での活動にこだわる。「横須賀は自分が世に出るまで支えてくれた滑走路のようなもの。友達もいるし、何より一番落ち着く」。ミュージックビデオにも、横須賀の馴染みの風景が随所に登場する。「これからも地元での音楽活動は続けるつもり」。変化を受け入れつつも、変わらない軸があることを再確認している。
|
<PR>
中区・西区・南区版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
<PR>