「昭和の香り漂うパン屋さん」として西区の岩亀横丁で長年親しまれてきた『開勢堂ベーカリー』が6月いっぱいで閉店する。
同店は昭和のはじめ、高島町で『開盛堂』の名前で開店。戦後に今の店名に改め、岩亀横丁で再開してから半世紀以上もの間、夫婦で店を支えてきた。店主の光賀博さん(80)は毎日午前2時に起きて仕込みを始める。「元気があるうちに引退しようと思った」と説明するが、閉店を惜しむ声は多い。取材中も閉店を知らせる張り紙を見て、驚きの声を上げる客が続出。親子三代で同店のファンだという近所に住む主婦は、「孫がここの三食パンを楽しみに遊びに来ていた。あんドーナツも甘さ控えめで美味しいのよ」と声を落とす。
「昔は洒落たパンも作っていたけれど、結局は定番のパンが一番売れるから」と、ショーケースの中にはアルミトレイに乗った惣菜パン、グローブ型のクリームパン、甘食など35種類ほどが並び、どこか懐かしい品揃え。昼前に売り切れてしまうパンも多い。昔ながらの対面販売で、会話を楽しみにきてくれるお年寄りも多いという。「閉店を知って沢山の人が買いに来てくれる。本当にありがたい」と妻のハナ子さん(77)。
営業時間は午前8時から午後7時まで。日祝休み。
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