発達障害を抱える当事者がこれまでの経験や周囲に理解して欲しいことを語る講座が10月24日、中区の関内ホールで行われた。
発達障害児・者を抱える家族などを対象に開かれたもので、地域活動支援センター「まなび」に通う20代から40代の男女3人が講演。
最初に登壇した40代の男性は、スポーツ推薦で高校に入学するほど活発だったが、小さい頃からなぜか周囲に馴染めなかった。当時はまだ発達障害という言葉が今ほど認知されておらず、「自分の何が悪いのか」を悩み続けて家に引きこり、高校を中退。その後も「遅れを取り戻さなければ」と就労するも、長続きせず、うつ病を発症。少し改善しては就労、そして再発というサイクルを抜け出せず「将来に絶望感しかなかった」と振り返った。
男性が「高機能自閉症」と診断されたのは32歳の時。家族と何度も話し合い、「結婚や就労という目標からの脱出が自分らしく生きるための第一歩だった」と話し、今は支援センター「まなび」で安定した日々を過ごしているという。
その後も登壇者たちが家族や周囲に理解されない苦しさや体験談を語り、「私たちは『困った子、できない子』ではない。障害や本人の主体性を理解して、そっと後ろから背中を押してほしい」と訴えた。
講座を主催したNPO法人教育★ステーションは「発達障害は周囲が正しく理解し、寄り添うことで状況は必ず改善します。当事者の言葉が参加された方々の助けになれば」と話した。
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