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街角で 野毛のドタバタ劇、一冊に 当時の役者らが販売

文化

掲載号:2019年4月25日号

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時代劇のセットのような風情ある「一千代」の前で、本を手に福田さん。店内には懐かしい大道芝居のポスターが飾られている
時代劇のセットのような風情ある「一千代」の前で、本を手に福田さん。店内には懐かしい大道芝居のポスターが飾られている

 観客が呑兵衛なら、役者も呑兵衛―。今や横浜一の呑み屋街と言われる野毛の路上を舞台に行われていた「野毛大道芝居」。その歴史やエピソードを1冊にまとめた『横浜・野毛大道芝居の日々』が昨年出版され、4月27日・28日開催の野毛大道芸の会場で販売される。

 大道芝居の発案者であり、プロデューサーを務めたのは野毛の中華料理店「萬里(ばんり)」の福田豊さん。野毛で大道芸イベントが定着してきた1993年、「もっと面白いことをやりたい」と、仲間の店である「一千代」を時代劇のセットに見立てた路上芝居を思いついたのが始まりだ。翌年から野毛大道芸フェスティバルの関連イベントとして2005年まで開催された。

 出演者は飲みの席などで勧誘しながら、評論家やキャスター、作家、獣医、現役の市長など多彩なメンバーが集まったが、座長を務めた俳優・高橋長英さん=人物風土記で紹介=以外は全て素人役者。ギャラは「投げ銭」のみで、照明や音響などの裏方はプロが支えた。芝居は「『一本刀土俵入り』と『ウエストサイドストーリー』」のように異なる物語を組み合わせたオリジナルストーリーに脈絡なくサンバダンサーが登場するなど、面白いことに貪欲な出演者たちの自分勝手なアドリブ満載の「超ごった煮」状態だったという。

 同書はフリーライターの山中伊知郎さんと福田さんが共同ペンネーム「野毛風太郎」の名で執筆。全11回の大道芝居の歴史が、人間味溢れる出演者のインタビューやエピソードと共に生き生きと描かれており、古き良き時代を感じずにはいられない。福田さんは「大道芝居は野毛だからこそできた文化。バカバカしいことを本気でやった」と当時を懐かしむ。「今の野毛は“おもしろい街”だけど“おかしい街”ではないかな。野毛ってこんな街だったんだと知ってもらえたら。この本を見て『自分たちもやってみたい』と思う若者が出てくれたら嬉しいね。人生は1回しかないから、他人ではなく、自分の価値観で楽しく生きて欲しい」

 大道芸の会場では当時の役者らが手売りで販売。高橋座長は「遠山金四郎」に扮して登場する予定で、購入者にはサインや記念撮影なども行われる。価格は1400円。問合せは山中企画【電話】03・6903・6381へ。
 

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