丑年である今年。「牛」に関わる地域の歴史に光を当てたい。
日本における食用の牛肉および牛乳文化は、中区本牧が発祥の地といわれる。本牧元町、丘の上にある市八聖殿郷土資料館の相澤竜次館長は、牛乳・乳製品の発祥の地も本牧と指摘する。
食用の牛同様、居留地の外国人により乳牛が持ち込まれたことが、牛乳・乳製品が一般に普及していくきっかけだったという。慶応2(1866)年には、アメリカ人のリズレーが日本で初めて牧場経営を始めたとされ、その後、外国人が経営する牧場が山手から本牧・根岸に出来ていったといわれる。
外国人から酪農技術学ぶ
居留地近くでは、外国人から酪農技術を学んだ日本人が本牧・山手・根岸に牧場をつくり、日本人に乳製品を供給するようになったという。牧場といっても牛を放牧できる規模のところから、牛小屋程度の規模まで様々。その後、酪農技術は本牧から全国へと広がった。相澤館長は「日本での牛乳や乳製品についても、本牧が発祥と言っても過言ではないのではないでしょうか」と指摘する。
1955(昭和30)年まで、神奈川県は北海道に次ぐ日本第2位の牛乳生産量を誇っていた。都市化が進んだが、牛舎は1970年代半ばごろまで残っており、相澤館長は「70代後半の方なら、一升瓶を持って牛舎に牛乳を買いに行ったという方もいるのでは」と話していた。
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