きっかけは広島への修学旅行。当時の空襲警報を初めて聞き、衝撃を受けた。戦争や原爆の恐ろしさを知る一方で、今の情景に平和を実感。「私の祖母も戦争経験者ではない世代。私たちが知ろうとすることは大切なことだと皆に伝われば」と題材に選んだという。
ロシアのウクライナ侵攻に対しても同様の思いが募る。「日本では当たり前の生活がウクライナや、世界の戦争が起こっている地域では当たり前ではない」。コンテスト本番では言葉につまる場面もあったが「言いたいことは言えた」とすっきりとした表情。多くの人が過去と現在を知ることで「差別や偏見が無くなれば」と話した。
過去を知ること
鳥達の鳴き声、木が揺れる音、路面電車が通る音に広がる青空。私は素直にこう思いました。「平和だな」と。
修学旅行1日目に訪れた広島で、私たちは被爆の惨状を目の当たりにしました。同じ年の男の子の、焼けこげた制服。食べることができないまま炭化したお弁当。そして、実際の写真。当時の現実はあまりにも恐ろしく、そして心苦しいものでした。
戦争では多くのものが奪われます。友達や家族、家や街などが破壊されあとには何ものこりません。日本は、全てを失ったあとにそのことに気づき、二度と戦争を起こさない国になりました。今の平和は、多くの犠牲の上に成りたっているのです。
では世界はどうなっているのかというと、残念ながら平和とはとても言えません。
アフリカやアフガニスタンでは紛争が。シリアでは内戦が。ウクライナでも現在多くの民間人が犠牲になっています。このような世界中で起こっている争いに対して、私たちにできることはあるのでしょうか。一つだけ確実にできることがあります。それは、「知ること」です。
日本は戦争を放棄し、非核三原則をとりました。なぜなら、戦争と核兵器の恐ろしさを知っているからです。ヨーロッパはEUをつくり、世界は国際連合をつくりました。なぜなら、各国と協力せず、自国を優先した結果どうなったかを知っているからです。過去を知り、そこから学ぶことで新しい時代がつくられていくのです。では、「知ること」をしなければ、この世界はどうなってしまうのでしょうか。
現在のウクライナの件をロシア人全員が支持しているわけではないということを知らない人は、自分の近くのロシア人を偏見の目で見ます。原爆症はうつる病ではないということを知らない人は、被爆者を差別します。そしていつか、核兵器は恐ろしいものということを知らない人が、核を使ってしまうかもしれません。そうなれば今の平和は全てなくなり、広島のような惨劇がまた起きてしまうでしょう。
私たちが同じ過ちを二度とくりかえさないためにできること。それは、過去に争いをしてきた国の歴史を知ること、そこから原因や反省点を学ぶこと、その知識をもとに現在の世界に目を向けること、そして一人一人が正しい行動をしていくこと。これらが、今を生きる私達にできることなのです。私たちが平和な未来をつくっていくために。
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