関東学院大学(小山嚴也学長)は、今年4月開校の関内キャンパス=中区万代町=でモバイルオーダーシステムを運営するスカイファーム(株)=西区みとみらい=と連携し、街と大学をつなぐバーチャル学生食堂を5月8日から開始している。同事業に参加する学生からは、経営者と消費者のそれぞれの視点が勉強になるとの声も聞かれた。
バーチャル学生食堂「KGU Virtual Cafeteria Lilac(ライラック)」は同大学の学生や教職員が専用のウェブサイトから地元の飲食店の食事を注文できるサービス。登録店舗は同キャンパスから徒歩約5分圏内にある8店舗で、学生向けに500円〜千円の価格で弁当などを提供している。
昨年関東学院大学とスカイファーム(株)が別の事業でつながったことをきっかけに、関内キャンパスに学食がないことを知った同社が「バーチャル学生食堂」の導入を提案。大学側から、学生が主体的に運営できるように授業として取り入れたいとの要望を受け、昨年10月から同大学の1〜4年を対象とした「スタートアップ企業実践講座」を開講した。14週にわたる講義活動を通じてバーチャル学生食堂を立ち上げた。
店舗の反応様々
講師と学生が協力して地元の約50店舗に足を運び参画を呼び掛け、現在は8店舗が同システムを利用している。参画店舗の1つである「呑場 ずずず」=中区常盤町=を運営するTENGOOD(株)の稲葉喬之代表取締役は「企画が面白いと思った」と話す。無添加や有機野菜を使用した料理を普段から提供していて「学生に美味しいものを食べて欲しかった」と参加を決めた。元々は夜だけの営業だったが、同大学との連携を機に学生に提供している弁当販売を店舗でも始めたという。「始まったばかりで学食の利用者がまだ少ない。もう少し販売数が増えれば」と期待する。
講師を務める同社の武田正史さんは「まずは学内で食堂の認知度を上げる必要がある」と今後の課題を話した。企業実践講座に参加した法学部4年生の金山純さんは「経営者側、消費者側の視点を考えることが出来る。他学部とのつながりができることも嬉しい」と話していた。
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