全長1メートルあまりのブリキのボディ、まるで遊園地のゴーカートのような車が本牧エリアで目撃され、話題となっている。
この車を作成したのは、中区大和町で金属加工工房を営む岩島吉則さん。「自動車好きの友人と『子どもの頃、遊園地のゴーカートが大好きで家に持って帰りたかったんだ』と話をしていたら、今ならば作れるはずだと思いついて」ときっかけを話す。
そこで友人とともに製作に着手。ボディは子ども用足こぎ四輪車をベースに金属板を接合し、エンジンは50ccバイクのものを装着した。ナンバープレートまで取得するこだわりようで、完成までに1年を要した。
昨年末に公道デビューを果たすと、地域で瞬く間に噂が広がった。工房に置いた車を見て、多くの子どもが「乗せて!」と集まってくるほか、車好きの大人から声をかけられることもしばしば。「走っているとみんな驚いた後、笑顔になっているのが分かる。最近日本全体で元気がないと感じていたので、地域に少しでも明るい話題を提供したかった」と岩島さんは笑う。
幼い頃から工作が大好きだったという岩島さん。建築会社のサラリーマン時代に、金属を熱して加工するロートアイアンに出会ったことでモノづくりへの思いが再燃した。町工場での修行を経て独立し、10年以上になる。現在は店舗の看板や住宅の門扉など様々な製品を手がけている。その確かな技術と個性的なデザインが見込まれて、東京ディズニーシーの装飾を手がけたほか4月まで開催されている相模湖イルミリオンにも作品を出品している。
岩島さんが常に追い求めているのは「手作りの温もり」。今回の「ゴーカート」はその情熱が形になった大きなおもちゃだったのだ。
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