横浜みなと博物館で6月27日、東日本大震災から立ち上がる人々や町の様子を写した公募写真展「石巻かほく復興写真展」が初日を迎えた。震災当初からガレキ撤去作業に奔走した石巻市在住の会社員、萬代(ばんだい)好伸さん(51)が講演を行った。
当日は約30人が参加し、当時の新聞記事や写真を見ながら、萬代さんの話に耳を傾けていた。
萬代さんは、当時の新聞記事を指さし、自身の体験を語った。避難所に向かう途中で目にしたのは、ランドセルを背負ったままの子どもの亡がらや、ガレキからはみ出す手や足。救助に来ていた自衛隊員に「遺体を収容してあげて」とお願いすると、隊員は「生きている方が先ですから」と涙しながらあやまっていたという。「多くの尊い命を奪った自然災害を憎んでいます」と萬代さんが語気を強めると、会場からはすすり泣く声が聞こえてきた。
最後に萬代さんは、「いつみなさんのもとに災害が起こるかわからない。私の責務は、この経験を伝えて、次の災害のときに犠牲者を出さないようにすること。自らを守るために、認識・知識・意識を持って災害に対処して欲しい」と参加者に呼びかけていた。
神奈川区から夫婦で参加していた遠山豊さん(32)は、「地元でこういった会に参加できるのは貴重。当時のことを思い出しました」と話していた。写真展は7月5日まで。入館無料。
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