大規模地震発生を想定した「多数遺体取扱訓練」が10月29日、中スポーツセンターで行われた。医師会、歯科医師会、県葬祭業協同組合、県警察本部、横浜市、中区など関係機関を中心に約160人が参加した。
想定は、中消防署の隊員が倒壊した家屋の下敷きになった通行人を救助したもので、右腕および顔の一部が欠損した推定40歳女性の不完全遺体とした。
人形を使用して実際に遺体が搬送されてきた状態を再現。完全遺体または不完全かを確認する「受付」をはじめ、警察による全身写真撮影や損傷部位、特徴および所持品確認などの「検視」、葬祭業関係者による「洗浄」、医師による「検案」、警察・歯科医師らによる「身元確認」、葬祭業関係者による「納棺等」、最後に市職員らによる遺体の「引渡し」まで各機関が連携して流れを確認した。
検視を担当した県警察捜査第一課の担当者は「発見された状態の詳細な情報がとても大切です。身元特定のヒントになります」と説明していた。鶴見大学歯学部の佐藤慶太教授は、3・11発災直後に被災地で身元確認に携わった経験から「遺体搬送が始まって20、30分で体育館が一杯になった」と振り返っていた。
納棺前には、傷口の縫合や全体の消毒などを行う。理由について担当の葬祭業関係者は「感染症の予防、人としての尊厳の保護、遺族への配慮」と解説した。
2階の安置、非現実的
市職員からは遺体安置所が2階に位置することは、受け入れに現実的ではないとの指摘も聞かれた。遺体安置所運営担当の中区生活支援課の田子明子課長は「万が一に備え日頃から関係機関との連携を大切にしていきたい」と話していた。
|
<PR>
中区・西区・南区版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
<PR>