町内会の会合中に胸部の不快感を訴え意識を失った傷病人の命を適切な救護活動で助けたとして、七島町在住の長谷川肇さんと藤原光子さんが神奈川消防署から表彰を受けた。同署は「一般市民と救急隊の迅速かつ的確な判断・行動が救命につながった」としている。
町内会の会合で長谷川さん宅に近隣住民が集まっていた7月21日、その中のひとりが胸部の不快感を訴え、うずくまるように倒れてしまった。
皆で呼び掛けたが反応はなく、居合わせた藤原さんが119番通報した。だんだんと顔色が悪くなっていく傷病人の様子から長谷川さんは心肺・呼吸停止を疑い、松見消防出張所の救命講習で教わったばかりの心肺蘇生法・胸骨圧迫を実践。その後救急隊が到着し、心肺停止直後の症状である「死戦期呼吸」が見られたため、AEDでのショックを2度実施するも静脈路の確保ができず、気道確保などを試みながら医療機関に搬送した。
傷病人は一命をとりとめ、1週間ほど入院したものの約1カ月後の運動機能などの検査で異常なしと判断され、現在は職場復帰を果たしている。
「訓練時とは感覚が違う」
こうした功績が称えられ、2人は9月30日に神奈川消防署から表彰を受けた。
通報者の藤原さんは「救急隊到着まで傷病人の方の気道を確保するよう消防に言われたが、人形を使った訓練では力を入れなくても簡単にできたのに、実際はこんなにも重いのかと思った」と振り返った。
救護を試みた長谷川さんは「訓練の人形とは感覚が異なり、押す位置や強さなどがあっているか多少怖さを感じながらも、無我夢中で押し続けた。その場にいた皆さんも通りに出て救急車に手を振って呼び寄せるなど協力して下さった」と話した。
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