女性が開発に貢献した商品やサービスを県が認定する「神奈川なでしこブランド」に10件が追加され、神奈川トヨタ自動車=市川英治社長・栄町=の都丸美里さんが考案したタクシー乗務員向けの「ユニバーサルエスコートマナー講習」が認定を受けた。
トヨタ自動車が高齢者や身体に障害がある人も利用しやすい「ジャパンタクシー」を2017年に発売する際、神奈川トヨタ自動車らしいサービスを社内で検討するなかで都丸さんが発案した。
同社と取り引きがあるタクシー会社向けに無料で実施し、「タクシードライバーのマナーや接客にもユニバーサルデザインを」を合言葉に、介助専門士の資格を持つ都丸さんが高齢者や車いすの利用者、視覚障害者などへの接遇を寸劇形式でレクチャーする。都丸さん自身が乗務員役を務め、実際の利用状況を想定した実践的な内容で受講者の興味をひくよう工夫したという。
受講者は、「車いすを押すときは次の動きを利用者に伝えるため、積極的に言葉をかける」「視覚障害者の誘導時は必要以上に体に触れない」などの心がけを学び、白内障を疑似体験できるゴーグルを装着して指示された色のおはじきをつかむといった体験を通して、利用者の立場を理解しながらエスコートの方法を考えていく。聴覚障害者とのコミュニケーションに役立つようにと、自己紹介などの簡単な手話も覚えるという。
他業種に展開 社員力向上の一助に
開催が迫る東京五輪・パラリンピックやジャパンタクシーの普及を受け、交通弱者への接遇向上はタクシー業界にとって大きな課題だ。2018年4月から150回近い講習を開いてきた都丸さんは、「講習を始めた当初に比べると、受講者の反応がとてもよくなったと感じます」と、乗務員の意識の変化を感じている。
なでしこブランドの「お墨付き」を得たことで、「神奈川県のタクシーを利用すると安心だとお客様に感じていただけるよう、これからも平等な移動の自由を提供していくためのお手伝いができたら」(都丸さん)。接客業だけでなく、非接客業向けに社員力向上プログラムとして応用していくことも検討したいという。
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