新型コロナウイルス感染症の影響で生活が困難なひとり親家庭を支援しようと、横浜市はフードバンク団体と連携して食品を提供する取り組みを8月から始めた。来年3月まで市内各地で提供会を開いていく。
6月議会の補正予算に盛り込まれ、事業費は約1950万円。市内に暮らすひとり親世帯に、地区センターや地域ケアプラザで食品を提供する。1回60世帯程度の申し込み制で、8月は10カ所、9月以降は16カ所程度に増やして月1000世帯ほどを支援する。
配る食品は、家庭で消費されない食べ物を募るフードバンク団体から提供された米や缶詰など約2〜3kgの予定。「全てのひとり親世帯に届けられる数量ではないが、今まさに困っている人たちに活用してもらえれば」と市こども家庭課の職員は話す。1日に行われた提供会に訪れた港北区の50代女性は「食べ盛りの高校生が2人いるので助かる」と喜んでいた。
2015年の国勢調査によると、市内のひとり親世帯は約2万6400世帯で、母子家庭の割合は約86%だった。市が17年に行った調査では、母子家庭の就業率は約86%と高いが、パート・アルバイトや契約・派遣社員などの非正規職員が半数を占めた。
「コロナの影響で収入が無くなり、とても困っている家庭がある」と話すのは、同事業を受託する横浜市母子寡婦福祉会=立町=常務理事の有村浩子さん。緊急事態宣言に伴う休校措置などで、子どもが学校に通えなかったり預け先が見つからなかったりして、休職などを余儀なくされたケースがあるという。中には「明日食べる物が無い」という切実な声もあった。
同会のメールマガジン登録者は約3500人と、全てのひとり親世帯に提供会を知らせることは難しいことから、市ではひとり親支援に関わる各区の部署や支援団体と連携しながら事業を周知していくとしている。
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