年頭にあたり、本紙では高田靖神奈川区長に区政の振り返りと次年度の展望について聞いた。高田区長は、新型コロナウイルス感染症の流行に伴う閉塞感に包まれた中でも、「地域の皆さまの熱い思いを感じることができた1年。苦しい時期だからこそ思いやりの心を持ち、地域とのコミュニケーションを深めていくことの重要性を実感した」と話した。
(聞き手/本紙編集長・松田亮介)
コロナ禍での区政運営
――新型コロナウイルス感染症の流行下で、難しいかじ取りを任された1年でした。
「さまざまな活動が中止・延期を余儀なくされ、皆さまも欝々とした雰囲気の中で生活を送られてきたと思います。学校や地域施設の休止や外出自粛、在宅勤務やテレワークなど、生活様式が一変したことで人と人との関係性が希薄化するなど、新たな課題も生じていると感じています。地域の皆さまが当たり前のこととして培ってきた、ご近所同士の見守りや支えあい、思いやりの心や笑顔の大切さを改めて感じた1年となりました」
――区民まつりが2年連続で中止となりました。
「様々なグループや団体の皆さんに発表の場を提供することができなかったことは残念でなりません。多くの人が集まることが難しいのであれば、今後は動画配信などの方法も模索するなど、実行委員会の皆さんと相談しながら工夫していきたいと考えています」
新駅周辺、開発に期待
――区内におけるまちづくりの進展について、羽沢横浜国大駅の開業から1年、そして横浜市立市民病院の区内移転など大きなニュースもありました。
「2019年11月に相鉄・JR直通線が開通以降、新宿方面への利便性が大きく向上しました。開発の機運も高まっており、今後は駅周辺にふさわしい土地利用が期待されます。
昨年5月に移転した市民病院は、高度急性期医療を中心とする先進的な医療サービスを提供し、感染症や災害などの健康・危機管理拠点としての役割を果たすだけでなく、新型コロナウイルス感染症対策における医療機能も強化されます」
魅力ある区づくりへ、4本の柱
――区政の振り返りをお願いします。
「『安全安心』『いきいきとした暮らし』『地域への愛着』『地域の力やつながりをはぐくむ』という4つの施策を柱にしたまちづくりを進めてきました。
防災力強化に向け、大型台風や大地震発生時に自宅で避難生活を送ることができるよう、窓ガラス飛散防止フィルム設置費用の一部補助を行いました。発災後にスムーズな地域防災拠点の活動が行えるよう、運営委員向けの防災講座や運営マニュアルの改訂支援なども行っています。
特殊詐欺被害の撲滅に向けては、昨年11月に自動通話録音装置約130台の貸し出しを実施し、防犯対策機能付き電話機購入費用についても、一部補助の募集を2月末まで受け付けています
健康面では、区民の皆さまの健康増進に向けて庁舎内に健康チェック・情報コーナーを設置しています。月1回の健康相談も実施し、気軽に自身の健康をチェックしていただける環境づくりに取り組みました。
子育て支援に向けては、地域の中で子どもたちが育っていくための土壌づくり「まち保育」の取り組みを引き続き推進し、2019年度に実施した連続講座を収録したDVDを、区内全ての保育・教育施設に配布しました」
ウィズコロナ、ICT支援に力
――次年度の区政運営については。
「顔を合わせての会合やサロンなどの開催が難しい中で、地域の方々にはICTを活用したweb会議やイベントの開催など、さまざまな工夫を凝らしてつながりづくりを進めていただいています。区役所としても、ICT活用などの新たな取り組みにアドバイザーを派遣するなどの支援を行っていきます。
ウィズコロナ社会の中で地域の安全、安心、笑顔と元気を将来につなげていくために、皆さまと力を合わせて歩みを進めていきたいと思います」
――区民へのメッセージをお願いします。
「世界で感染が拡大する新型コロナウイルスも、近い将来必ず収束します。苦しい時期だからこそ思いやりの心を持って、より一層コミュニケーションを図ることを大切に取り組みを進めていきたいと思います。今年も地域の皆さまと手を携え、お一人お一人の笑顔と元気、明るく健やかな暮らしのために、区役所一丸となって全力で取り組んでいきます」
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