神奈川区は2021年度予算案に「個性ある区づくり推進費」(自主企画事業費)として約1億660万円を計上した。地域防災力の向上や特殊詐欺対策など安全・安心なまちづくりに向けた事業をはじめ、介護予防・子育て支援、地域の魅力向上や地域力を育むまちづくりに取り組んでいく。
自主企画事業では、【1】安全・安心なまちづくり、【2】誰もがいきいきと暮らし続けられるまちづくり、【3】魅力にあふれ愛着が持てるまちづくり、【4】地域の力やつながりをはぐくむまちづくり、【5】共感と信頼の区役所―を柱に32の事業を展開。地域課題に対応しながら多世代が安心して住み続けられるまちづくりを目指す。
【1】では、乳幼児の子育て世帯を対象に家具転倒防止器具の普及啓発や窓ガラス飛散防止フィルムの設置補助を通して、家庭における自助の取り組みにつなげる。入江川河口には水位計、滝の川には量水標を新たに設置し、高潮被害や河川の水位状況を迅速に確認して住民への避難指示に役立てる。防犯面では、特殊詐欺の撲滅に向けて防犯機能が付いた電話機器の普及を進めるほか、啓発物品や広報物を配布して注意喚起を図る。
【2】では、保育・教育施設の防災力向上を目指して防災アドバイザーを招いた研修やワークショップ、伴奏支援などを展開。児童虐待などの問題解決を図るため、育児の不安や悩みを持つ養育者向けの講座や支援教室、ひとり親家庭向けの相談事業などを行う。健康づくり・介護予防に向けては、ウオーキング事業や介護予防出張講座などに取り組む。
【3】【4】の施策としては、商店街をめぐるスタンプラリーの実施や大規模団地の再生検討事業、区役所職員が地域と連携して地域課題解決にあたるための職員研修や地域協働事例などを紹介する広報紙などの事業費を盛り込んだ。
【5】では、多様化する区役所サービスへのニーズに応えるための職員スキル向上や、歴史をはじめとした区内の資源を活用した魅力の創出・発信に取り組んでいく。
自主企画事業費は、地域のニーズに応じて個性ある区づくりを推進するための経費。予算は各区に割り当てられ、神奈川区の予算総額は約1億660万円だった。開会中の横浜市会定例会で審議され、3月23日の本会議で議決される予定。
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