大雨により下水道などの処理能力を超えた雨水が地表にあふれる「内水氾濫」への備えとして、横浜市は浸水が想定される区域や浸水深などの情報を区ごとにまとめた「内水ハザードマップ」を改定した。想定雨量をこれまでの2倍となる1時間あたり153ミリに変更し、近年多発する豪雨による水害リスクの可視化に役立てる。
これまでの内水ハザードマップでは、1時間あたりの降雨量を76・5ミリと定めて被害を想定していた。しかし、2019年9月には市内で観測史上最大となる同100ミリの降雨を観測。気候変動により今後も豪雨の増加が見込まれることから、過去に関東地方で観測された同153ミリの降雨でシミュレーションし直した。
7月の雨でも内水被害
活発な梅雨前線により、7月上旬には神奈川県内でも災害級の大雨が降り続いた。
県の発表によると、降り始めの6月30日から7月5日までの雨量は港北区で250ミリ、最高レベルの警戒が必要となる「緊急安全確保」が出された平塚市で350・5ミリ、箱根町では853・5ミリに達した。住宅の床上・床下浸水は県内で25件以上報告されており、多くが下水道の処理能力を超えてマンホールなどから水があふれる内水氾濫によるものとみられる。
広範囲で道路冠水
マップでは、浸水深の目安を6種類の色分けで分類している。神奈川区では、道路冠水に相当する2〜20cmの浸水エリアが広範囲に存在。神大寺や六角橋、松本町、白幡向町、入江などでは、50〜100cmの床上浸水が想定される地域が帯状に続き、最大で1階の軒下まで浸水する恐れのある場所もあった。
最大降雨量を見直したことで、市環境創造局の担当者は「これまでの想被では限定的だった浸水の恐れがある地域が市内全域で広がった」と話している。
3種のマップ1冊に
神奈川区と金沢区では、これまで別々に作成していた内水・洪水マップに高潮マップを加えた「浸水ハザードマップ」を1冊にし、今年度中に全戸配布する予定。その他の区でも22年度に同種のマップを配るという。
インターネット上では「内水ハザードマップ 横浜」で検索できる。
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