横浜市は政令市では初となる「依存症対策地域支援計画」を10月に策定した。予防・発見・回復の各段階に応じて、力を入れるべき施策を定めている。
誰もがなり得る
同計画は依存症対策事業に関する国の実施要綱に基づき、「アルコール」「薬物」「ギャンブル」の依存を中心に行政や民間団体などが行う支援の方向性を示している。市内の医療関係者や民間支援団体らの意見も取り入れ、2025年度までの5カ年が計画期間となる。
計画の中では、依存症は誰もが陥る可能性があり適切な支援で回復できるものと捉え、本人や家族などの困難軽減や暮らしの改善に向け、「予防・普及啓発」「早期発見・早期支援」「回復支援」の3段階に応じて正しい理解の普及や専門的な回復支援など、6つの重点施策を設けている。
中でも力を入れるのが、地域ケアプラザや一般の医療機関、学校といった身近な支援者から専門的な依存症支援につなげる取り組みだ。
横浜市の担当者は「医療機関の受診や債務相談の背景に依存症が隠れているケースもある。いかに早く周囲が気付き、専門的な相談や支援につなげられるかが重要だ」と話す。昨年6月には関係機関の代表者からなる連携会議が発足し、現在は支援のためのガイドライン作成に取り組む。
計画の中では研究機関や市の調査を基に、市内のアルコール依存症生涯経験者を約1万5千人、薬物使用の生涯経験者を約5万9千人、生涯でギャンブル依存が疑われる人を約7万人と推計。依存症関連の相談窓口を中区のこころの健康相談センター(【電話】045・671・4408)や各区役所に設けており、昨年度はセンターに1013件、区役所に3127件の相談があった。
市内には3つの専門医療機関と16の回復支援施設、10の自助グループがある。回復支援施設「横浜ダルク・ケア・センター」=南区=の山田貴志施設長は「孤立化させない動きが大切。医療・事業所・行政が連携するという意味では支援計画や連携会議の存在は有効だと思う」と話した。
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