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夢ある未来へ一歩ずつ前進 新春インタビュー 小林常良厚木市長に聞く

政治

公開:2012年1月1日

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インタビューに応える小林市長=市長応接室
インタビューに応える小林市長=市長応接室

 2012年の年頭を飾る企画として、本紙では小林常良厚木市長に新春インタビューを行った。小林市長は再選を果たした昨年の振り返りや、厳しい財政状況下での新年度予算の編成・重点政策、新しい年の抱負などについて語った。(聞き手/本紙・厚木編集室編集長 山本道子)

 ――明けましておめでとうございます。まずは昨年を振り返るとどのような一年でしたでしょうか。

 「昨年2月、市民の皆さまから多くのご支援をいただき、再び厚木市長としての重責を担わせていただくことになりました。『一意専心』をテーマとして掲げ、”あつぎを元気にする!”と決意した初心を忘れず、市民の皆さまの健康と暮らしを最優先に、市政運営に取り組んでまいります。さて、昨年の世相を表す漢字に『絆』が選ばれました。3月の東日本大震災をはじめ、9月には台風15号が西日本を襲い、日本全体が大きな被害に見舞われ、自然災害の恐ろしさを改めて感じるとともに、人と人とのつながりや日本ひいては世界の『絆』の重要性を再認識する年となりました。こうした中、市では、東日本大震災の被災地の一日も早い復旧・復興を願い、市民の皆さまとともに継続的な支援を行ってまいりました。また、本市における防災対策の充実・強化を図るべく、地域防災計画の見直しに着手するとともに、原子力発電所の事故に伴う放射能汚染対策や再生可能エネルギー導入に向けた検討など、『市民の皆さまの生命と財産を守る』ことを第一に取り組んでまいりました。

 ――市長就任2期目で見えてきた、厚木市の課題はどのようなものでしょうか。

 「県央の雄都にふさわしいまちづくりを進める上で、特に、喫緊の課題である中心市街地の活性化や新たに開設されるインターチェンジ周辺地区の都市基盤整備をはじめ、地域経済、雇用対策に重点的に取り組んでいかなければならないと考えております。また、東日本大震災を踏まえ、防災対策や再生可能エネルギーの活用など、災害に対する万全な備えを早急に進めなければならないと考えております」

防災対策の充実・強化、企業誘致に取組む
「あつぎ元気プラン」第2期実施計画スタート

 ――2012年度の予算編成・市税収入の見通しはいかがですか。また、現段階で明らかにできる事業の予定や、重点政策はありますか。

  「長引く低成長とデフレ、歴史的な水準にある円高といった従来からの問題に加え、国内では東日本大震災からの早期復興、海外ではユーロ危機やタイの洪水な ど、私たちの暮らしに大きな影響を与える事態が発生するなど、依然として景気の先行きは不透明な状況であります。そのため、企業集積地である本市におきま しては、特に影響を受けることになり、市税などの一般財源が減少する見込みであることから、これまで本市が経験したことのない程の財源不足が想定され、厳 しい予算編成を行わなければならない状況にあります。このため、徹底した行財政改革に取り組み、国庫補助金等の更なる確保や事業の見直しによる経費の削減 を図るとともに、事業の『選択と集中』により、限りある財源のより効率的な活用に努め、中心市街地などの都市基盤整備はもとより、防災対策の充実・強化、 企業誘致策、子育て・教育環境の充実などを重点的に取り組んでまいりたいと考えております」

 ――昨年3月の東日本大震災を教訓にした厚木市の取り組みや防災対策はありますか。

  「私も東日本大震災の発災から1カ月ほどが経過した時期に、被災地に派遣した職員の激励を兼ねて被害状況の調査に宮城県石巻市などを訪問しました。地震、 津波に見舞われたまちの中に身を置き、その状況を目の当たりにした時、今までの災害に対する認識が大きく変わりました。こうした中、本市の総合的な防災対 策の指針を定める地域防災計画の全面的な見直しに着手しています。『地震・風水害は必ず起こる』という観点に立ち、本市に最大の地震被害を及ぼすと想定さ れている南関東地震、そして近年大型化している台風や局地的大雨に対応するための被害想定を明確化し、より実効性のある避難対策や情報伝達体制、防災関連 施設や備蓄品の整備・充実、広域避難場所への井戸の設置などについて検討を進めております。また、原子力発電所の事故により、再生可能エネルギーへの関心 が高まっておりますが、本市においても、再生可能エネルギーの導入や活用を促進するため、昨年7月にエネルギー政策担当を配置し、現在、専門家やエネル ギー関係者などで組織する検討会において、遊休地などを活用したメガソーラーの立地などについて検討を進めているところでございます。さらに、市民の皆様 の安心・安全を第一に考え、原子力発電所の事故に伴う放射能対策として、放射能測定器の貸し出しを行うとともに、未来を担う子どもたちの健康を守り、保護 者の皆さまの不安を解消するため、給食食材の放射性物質の検査機械を購入するなど、更なる検査体制の充実に努めてまいります」

 ――厚木市の魅力とは何ですか。それをどう政策にいかしていきますか。

  「本市は都心に近い立地でありながら、山や川など豊かな自然や多くの温泉に恵まれ、毎年、多くの方が訪れています。また、『さがみ縦貫道路』、『新東名高 速道路』、『厚木秦野道路』などの高規格幹線道路等の整備が進められ、交通の要衝として首都圏の流通・物流業務などを担う拠点都市として発展を続けていま す。また、市内には日本を代表する研究開発型企業をはじめとする産業も集積されているなど、県央の拠点都市としての役割はますます大きくなっています。こ うした本市が有するあらゆる資源を最大限に活用し、活気あるまちづくりを進めてまいります」

 ――最後に、厚木市民に向けてメッセージをお願いします。

  「昨年12月には、日経新聞社の調査で、本市の災害対応力が全国10万人以上の289市の中で6位、また、行政革新度で全国809市区の中で2位という評 価をいただきました。これは、まさに市民の皆様とともに進めてきた改革の成果であります。私は、こうしたランキングをエールとして捉え、引き続き、防災対 策の強化と徹底した行政改革に取り組んでまいります。また、2012年は『あつぎ元気プラン』第2期実施計画がスタートする年であり、重点戦略に掲げる 『ひとづくり』『まちづくり』『くらしづくり』の各施策を横断的かつ多面的に取り組んでまいります。そして、将来都市像『元気あふれる創造性豊かな協働・ 交流都市 あつぎ』の実現のために、市民協働をより一層推進し、市民の皆様が、明るく元気で幸せに暮らすことのできるまちづくりを進めてまいります。厳し い財政状況が予測される今こそ、市の現状をしっかりと見極め、夢のある未来へと、このまちを一歩ずつ進めることが私の使命だと思っておりますので、市政へ の変わらぬご協力をお願いいたします」

――ありがとうございました。

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「厚木を元気にする」と話す小林市長
 

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