9月2日に厚木中央公園をメイン会場として行われた市の総合防災訓練。この中で、通称”ハム”と呼ばれるアマチュア無線家たちが「非常通信訓練」を行った。大地震など非常災害時に市役所と市内各地域の通信手段を確保するために、毎年実施しているもの。
訓練を行ったのは市内のアマチュア無線家で構成される「厚木市アマチュア無線非常通信協議会」(廣澤慶寿会長・会員数40人)。
この日は会員12人が参加。会員らによって同公園に臨時開設された仮設のアマチュア無線局を基点にハンディ無線機を持った会員が5台の車と1台の自転車に分かれて各地を回った。
訓練では、電波が届きにくい七沢やさがみ縦貫道路北側の猿ケ島地区などの受信状況を重点的に再確認。また、他地域の避難訓練の様子などを交信。オペレーター・記録を担当した同会員の水内正浩さんは「どこまで電波が届いて交信できるか確認したかった」と真剣な面持ちで通信業務日誌に交信記録を取っていった。
「受信ができなかった地区はなかったが、電波が弱いエリアを常に把握しておくことはいざという時に必要。会の目的でもある」と、上荻野や鳶尾などを車で周った同会員の小林一雄さん。
市危機管理課は、同会について「各地の被害状況が集まりにくい状況で、アマチュア無線は選択肢のひとつとして有効」と話した。
アマチュア無線が命救う
2008年に行われた厚木市の防災訓練の最中に高尾山一丁平周辺から、「倒れている登山客がいる」と、通りがかりのアマチュア無線を持った登山者が、”SOS発信”した。携帯電話は圏外。その情報を同会がキャッチして、消防に連絡を取り救助された。
アマチュア無線は営利目的での交信を禁止している。防災行政無線との連携はなく、周波数も異なる。災害時には、ネットワークが構築されているので、自主的に情報を収集し同会が必要だと判断した情報を市に提供していく態勢を敷いているという。
廣澤会長は「災害時は電話やメールなどの通信手段が使えなくなり、会員が口火を切って動いていかなければいけないので、備えを万全にしたい。会員以外で無線をやっている方は協力してほしい」と呼びかけた。
同協議会は1970年代前半に発足。1998年に市と災害時非常無線通信の協力に関する協定書を締結した。発足当時を知る会員はほとんどが亡くなったが、有志で受け継がれ仕事も年齢も異なるボランティアで運営されている。非常通信運用周波数は433・50MHzFM。
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