市民協働提案事業の力 (一社)厚木ぐるっと代表理事 岩崎 正昭
2014年度は市民協働提案制度の新規提案がなかったことで、委員会の一員としてこの制度を運営する立場からすれば課題を残した。
一方、この制度を利用して事業を立ち上げた森の里ぐるっとは、この制度の最大限の恩恵を受けたと言える。2011年10月に試験運行開始、今年で4年目に入る。厚木市からの負担金支援は昨年で終了し、自主運営資金で事業を継続している。財源は厚木市から受託している森の里地区の榎田川、森の里C調整池、四季の道等の除草作業から捻出している。この作業の協力者も35名になった。
この制度を利用するには地域の課題を解決する仕組みを作り上げるアイデアを持ち、なぜ必要か、ほかに実施しているところがないか、広く厚木市民に恩恵をもたらすか等を説明するプレゼン能力も求められる。そして最も大事なことは事業継続のための財源確保である。
森の里ぐるっと事業は初期の段階から財源確保を地域に求めて市役所各部署と交渉してきた。
市民協働は行政とともに市民団体が地域公共サービスの担い手となって事業化することだが、取り組む課題も提案団体だけが享受するサービスであってはならず、公共性が求められる。
負担金については費用充当だけで資産取得には使えない。年度予算のためリース契約などは単年度契約になる。その為、資産取得した場合に比べ費用負担増となり、自主運営の足かせになる。
地域公共サービスの領域には企業も行政も入りにくい手つかずの領域がある。バス路線のない地域の買い物、通院は移動サービス。そのほか家の中の修理や模様替え、住居探し等々が高齢者のお困りごとである。勿論子育て世代にも手つかずの領域がある。
そして地域には定年を迎えて自由な時間とスキルを持った人が大勢いる。この「プラチナ世代」の人達の力が結集すれば、この手つかずの領域にある地域性のお困りごとも解決し、愉快に暮らせる街が見えてくる。
市民協働提案事業はそれらの事を解決する事業の引き金になる力があると思っている。
※市民協働提案事業
行政と市民団体などが地域の課題に共に取組む制度。2009年からこれまでに採択された事業数はのべ28。申請団体が企画に携わり、市は広報、会場の手配や最大200万円までの予算補助を行う。
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