医療法人社団藤和会 厚木佐藤病院
厚木市小野759 046-247-1211
厚木市は、居住と医療施設や商業施設をバス路線沿線に緩やかに誘導する、コンパクト・プラス・ネットワーク推進事業を昨年度に引き続いて取り組み、事業の拡充も図る。人口の減少と高齢化による、生活の不便や町の活気の喪失を防ぎ、市民の暮らしやすさを守ることがねらい。
コンパクト・プラス・ネットワークとは、居住と医療・福祉・商業といった生活する上で必要なサービスを提供する施設を公共交通(ネットワーク)と連携しながら、コンパクトに集積するまちづくりのこと。人口減少と高齢化によって地域コミュニティの維持が難しくなり、生活や交通に不便が生じ、町の活気がなくなり、さらなる人口減少と高齢化を招くといった負の連鎖を生まないようにするため、全国の地方都市で取り組みが進められている。
厚木市はもともと、バス路線が本厚木駅を起点に扇状に各地に延びており、人口のおよそ85%がこのバス路線沿線に居住している。そこで市は、このすでに形成されつつあるコンパクト・プラス・ネットワーク型の都市構造をさらに充実させる事業を昨年度から展開している。
具体的には、生活利便施設が不足している地区(上依知、山際、関口、中依知、下依知、金田、宮の里)において、スーパーやドラッグストア、コンビニエンスストア、内科を有する診療所などの立地を促進するため、これらを新規出店または開設する事業者に対して、施設整備等にかかる費用の一部を5年間補助している。1日片道30本以上のバスが運行されているバス路線沿線への立地や、敷地周辺に同種の施設がないことが条件。
今年度からは、これに加えて診療所に調剤室を整備する場合も費用の一部を補助する。担当の市都市計画課の職員が昨年度、事業を進めるなかで、医療法人にヒヤリングした際に、複数の法人から調剤室整備に関する意見があがったことを受け、拡充した。
また、新たに施設の立地にあわせて太陽光発電設備および蓄電システムを設置する場合も費用の一部を補助する。
あわせて、災害危険区域やがけ条例適用区域、土砂災害特別警戒区域といった災害リスクの高いハザードエリアからの居住の移転を希望する市民に対して、既存住宅の除去費や移転先住宅の建設費等を補助している。担当の市都市計画課によると、この対象となる住宅は現在、約245軒あるという。さらに今年度からは、移転先がコンパクト・プラス・ネットワーク推進計画で定める居住誘導区域の場合は、引っ越しの費用や仮住居費などの経費を補助する。
市は、これらの補助による居住と生活利便施設のバス路線沿線への誘導を図りながら、同時に、バス路線の交通混雑対策にも取り組む。具体的には、国道246号水引交差点付近のバス路線の混雑について、信号制御やバスレーン設置等の検討を行う。バスの定時性・速達性を確保することで、誘導先における市民の暮らしやすさの向上を図る。問合せは、市都市計画課【電話】046・225・2401へ。
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