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新春インタビュー あつぎ愛で笑顔の街へ 給食費の無償化も着実に

政治

公開:2024年1月1日

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インタビューに答える山口貴裕厚木市長
インタビューに答える山口貴裕厚木市長

 2024年の幕開け―。新型コロナウイルスが5類移行となり、人々の生活や多くのイベントがコロナ前に戻りつつも、自粛中に学んだ教訓を活かした新たな生活が始まった。本紙では昨年2月に就任した山口貴裕厚木市長から初の新春インタビューを実施。今後の県央やまなみ連携など、「あつぎ愛」あふれるこれからの施策などを伺った。

(聞き手/本紙編集長 勝浦勝)

 ――新年あけましておめでとうございます。昨年2月の就任から10カ月、これまでを振り返っていかがでしょうか。

 新年あけましておめでとうございます。

 市民の皆様からの御信任をいただき、第6代厚木市長に就任して以来、私は、このまちに眠っているたくさんの可能性を掘り起こし、魅力あふれるまち、誇りを持てるまちとして、磨き上げていきたいという熱い思いを込めて、市政運営に邁進してまいりました。

 昨年は、私が掲げた「まずはやりたい8つの政策」として、18歳までの医療費無償化のほか、高齢者のバス割引、タクシー利用の助成などを大幅に拡大いたしました。

 これにより、誰もが安心して子育てができる環境の充実や、高齢者の皆様の移動手段を確保することにより外出を支援し、仲間づくりや生きがいづくりの機会拡大につながっていくものと思っております。

 ――2024年度の予算編成も大詰めとなりますが、どのような方針の予算編成となりますか。

 就任以来、今回が初めての当初予算編成となります。

 新型コロナの感染状況が落ち着きを見せ、社会経済活動の正常化が進む中、歳入の面では、本市の根幹となる市税等の自主財源について一定の増収を見込んでいるものの、その一方では物価高騰や民間賃金の上昇等の影響に伴う歳出増も見込まれるところです。

 重点施策としては、大山・丹沢を軸とした観光や農業の振興、厚木秦野道路の整備など、周辺自治体である秦野市、伊勢原市、愛川町、清川村と一体となって進める「県央姉妹都市構想」による取り組みや、「子育て・教育で選ばれるまちの実現」に向けた取り組みなど、本市の可能性を掘り起こし、魅力を磨き上げていくための10のビジョンで構成する「魅力あふれる厚木創造プロジェクト」を柱として、予算を編成しているところです。

 また、今年の目玉事業としましては、小学校・中学校の給食費無償化がございます。新年度、新学期に合わせ、4月からのスタートに向けて現在準備を進めているところです。

 子どもたちの安心で充実した、食の環境を社会全体で支え、子育て世帯の負担軽減を図ってまいります。

県央姉妹都市構想を発展やまなみ連携を推進

 ――市長就任から5カ月で締結までに至った「県央やまなみ」の5市町村広域連携。公約でもある「県央姉妹都市構想」を含めた、今後の展望についてお聞かせください。

 「県央姉妹都市構想」の取り組みの一環として、昨年7月に、構成市町村による、広域連携の強化に関する協定を締結いたしました。

 今後、行政間の壁を越え、職員交流を積極的に行い、お互いの情報や資源を共有しながら、行財政改革に取り組んでまいります。これまで以上に県央地域の存在感を高め、「強いエリア」、「魅力あるエリア」を創出するとともに、それぞれの市町村の相乗的な発展を目指します。

 ――市庁舎移転に伴い再開発事業を進める本厚木駅北口。路線価でも「本厚木駅北口広場通り」が県内2位の上昇率となりました。商業面からも経済活性化が期待されるなか、どのような厚木の玄関口を目指していくのでしょうか。

 「本厚木駅北口の生まれ変わり」については、多くの市民の皆様から期待が寄せられています。

 魅力あふれる厚木の玄関口を目指し、「本厚木駅北口地区市街地再開発準備組合」の活動を積極的に支援するとともに、駅北口周辺を面として捉え、一体的かつ機能的なデザインにより、皆様から憧れを抱かれる街並みを構築してまいります。

 また、厚木バスセンター東側において整備を進めている図書館、(仮称)未来館、市庁舎等からなる複合施設については、いよいよ本体建設工事に着手してまいります。複合施設の建設工事着手をスタートとして、本厚木駅北口の生まれ変わりに向けた取り組みを力強く進めてまいります。

 商業面では、中心市街地の活性化を図るため、季節感を捉えたイベントの開催やイルミネーションの設置などを実施しておりますが、今後、複合施設の建設・本厚木駅北口再開発と連動した事業を展開していくことで、本厚木駅周辺のさらなるにぎわい創出につなげてまいります。

 ――コロナも5類に移行し、市民生活も日常を取り戻しつつあり、さまざまなイベント等も再開されています。スポーツ・文化芸術・歴史の聖地づくりの観点から、新たな構想があればお聞かせください。

 スポーツにつきましては、「スポーツの聖地」にふさわしい全国規模の大会やトップリーグの試合が観戦できる施設を整備するなど、各種競技の中心地となるようなスポーツ環境の充実を図ることが重要であると考えております。

 新規施設の導入と既存施設再整備の方向性を検討し、令和6年度以降、基本構想・基本計画の策定に向けて取り組んでまいります。

 また、各種競技の全国大会や合宿の誘致により、トップアスリートのプレーを観て楽しみ、身近に感じ、感動していただけるような環境づくりを進め、まちの活性化を目指します。

 文化芸術につきましては、文化会館・あつぎ郷土博物館を中心に、市内にさまざまな活動拠点がございます。文化芸術は市民の皆様が主体であり、活発に活動ができるよう支援していくことが聖地づくりで一番大切なことだと考えております。加えて、一流の文化芸術に触れられる機会を多く設けてまいります。

 昨年12月には株式会社小田急SCディベロップメントと文化芸術に関する連携協定を締結いたしました。商業施設で発表の場や気軽に文化芸術に触れられる機会を創出することで、市民の皆様の文化芸術活動を支援してまいります。

 歴史につきましては、あつぎ郷土博物館の来館者数が10万人を超え、今月末には開館5周年を迎えます。歴史の聖地づくり推進に向け、今後もさまざまな展示や講座、ワークショップを開催するほか、厚木が誇る相模人形芝居や相模里神楽などの郷土芸能を後世に継承していくため、文化会館などを舞台に、郷土芸能保存団体と協働して郷土芸能まつりや郷土芸能普及公演を実施してまいります。

 ――昨年3月に「厚木市カーボンニュートラルロードマップ」を発表し、国から重点対策地域に指定されている厚木市。2050年を目指した、現在の取り組み状況についてお聞かせください。

 現在は、市民の皆様に厚木市がカーボンニュートラルに取り組んでいることを知っていただき、個人・企業・団体みんなで行動を始めようと呼び掛けをしているところです。一例として「厚木市カーボンニュートラルプラットフォーム」というホームページで、市や企業の取り組みを紹介するとともに、毎月広報あつぎにコラムを連載し、市民の皆様がどのように取り組んだら良いのか、分かるようにしています。

 また、太陽光発電や蓄電池の補助金も拡充しています。自家消費型で設置した場合に補助額が100万円を超えるケースもあり、有効活用していただいていると感じています。公共施設においては、令和6年度、7年度に多くの施設のLED化を実施し、小・中学校を中心に太陽光発電と蓄電池を導入します。

 さらに、市民協働提案事業として実施した気候市民会議では多くの皆様のお力添えをいただきました。今年も多くの方にご協力をいただきながら、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを進めていきたいと考えております。

 ――最後に市民へのメッセージをお願いいたします。

 2024年は、「甲辰」の年です。「甲」は十干の最初に出てくる文字で、物事の始まりや成長を意味します。大きな力を持つ「辰」と組み合わさると、竜が天高く昇り大きく飛翔するように、大きな成長により物事がしかるべき姿へと整っていく、そんな勢いのある年であるといわれています。

 本市は、5つのインターチェンジがあるなど、交通利便性が優れている一方で、相模川、丹沢山麓の大自然など、都市と自然が調和した魅力にあふれたまちです。

 私は、厚木の持つ魅力やポテンシャルを最大限に引き出し、全国、全世界から憧れを抱かれ、市民の皆様お一人お一人が、「ふるさと厚木」に誇りを感じられる、「あつぎ愛」に満ちあふれたまちづくりに取り組んでまいりますので、どうぞ皆様方のお力添えをお願いいたします。

 市民の皆様方にとって、飛翔の一年となりますことを心よりお祈り申し上げます。  (了)

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