厚木医師会すこやか通信(33) あなたの胃はおげんきですか! 厚木医師会 箕浦 宏彦
おいしいものをパクパク食べてバリバリ仕事をし、元気で楽しく生活するには、胃の健康が不可欠です。ところが、日本では、「胃がん」の患者さんは減少傾向にありますが、毎年約10万人が「胃がん」と診断され、およそ5万人の方が命を落としています。しかし、今や「胃がん」は予防できる時代になったといっても過言ではなくなりました。予防に向けた正しい知識を持ち定期的に検診を受け、自分の胃の健康度にあったケアをすれば、胃がんで命を落とすことはないのです。
胃がんの検査には、バリウムによるレントゲン検査、内視鏡検査、採血によるペプシノーゲン検査、ピロリ菌検査等があります。検診としては、従来のバリウムによる方法が一般的ですが、内視鏡による検査は早期胃がんの発見にもっとも有用と考えられ、内視鏡検診を導入する方向にあります。ペプシノーゲン検査は胃粘膜の萎縮度を調べる方法です。胃がんは粘膜の萎縮が発生母地であることがわかっています。ピロリ菌は胃の粘膜を萎縮させ胃がんの温床を作ってしまうのです。ピロリ菌が胃がんや胃の病気の主犯だとしても、癌や病気の予防には、ストレス解消、減塩、禁煙、節酒、節食、運動など胃にやさしい生活をおくることが大切です。
厚木医師会では、昭和52年に厚木医師会胃集検部を発足させ、世話人、初代西村好雄先生を中心に、当初は部会員10名にて、地域の胃がん撲滅を目標に検診事業が始まりました。その後学会発表等を通じて、医師会、行政、予防医学協会の協力の下、広く厚木方式として成果をあげてまいりました。30年余りの年月の経過とともに、内視鏡検査の進歩、ペプシノーゲン法、ヘリコバクターピロリの発見等検診方法の幅が広がり、今日に至っております。
さて、平成23年度より胃がんの個別検診が可能になりました。集団検診も残りますが、内視鏡検診ができるようになり、受診者のメリットが大きく増え、胃がん死亡率を下げる可能性が増えました。ぜひ検診を多くの住民に受けていただきたいと考えます。
なお、ペプシノーゲン法は、胃がんの高危険群を選び出す検査なので、結果判定をよく聞いて、その後の検査などの指示を受けてください。
検診は最大の防御、そして大切なのは行動を起こすこと、まずはご自身の胃の状態を知ることから始めましょう。
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