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卒寿目前 イチゴ作りは現役 戸田の杉山潔さん

公開:2012年12月21日

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「今年は育ちが遅めだね」と杉山さん
「今年は育ちが遅めだね」と杉山さん

 年が明ければ、イチゴ狩りのシーズン。市内でも相川地区を中心にイチゴ農園が点在している。そのひとつ、杉山いちご園(戸田1822)を営む杉山潔さんは御年89歳。60年近くにわたり、イチゴ農家を続けてきた。

 1923年(大正12年)生まれの杉山さん。戦後24歳の時に戦地から復員し、しばらくは稲作をしていた。

 イチゴの栽培を始めたのは昭和20年代後半。食糧難だった当時、都会から買い出しに訪れた人々にイチゴは喜ばれたという。

 当初は露地栽培だったが、当時開発されたばかりのビニールハウスを導入するなど最新の技術を取り入れていった。今でも新しい品種が出るとそれを加えるなど、栽培向上への努力を怠らない。市内の観光いちご狩り組合の副会長なども務め、2002年には県の園芸功労者表彰を受けた。

 現在は2つのハウスを持ち、広さは約400坪。紅ほっぺ、章姫など4品種を栽培している。毎年7月から育苗をはじめ、イチゴ狩りのシーズンが終わる5月ごろまで「つきっきり」の状態。栽培で心がけているのは、生育を自分の目で見ること。「ちょっとした違いで様子が分かる」と話す。

 腰こそ曲がっているが、はっきりした話しぶりは年齢を感じさせない。毎日ハウス内を歩き回り、生育状況を確認する。

 イチゴ狩りには親子連れから会社の社長まで、様々な人がやってくる。こうした人たちとの会話も楽しみの一つ。「イチゴ狩りに来たお客さんから若いエネルギーをもらっている。だから年に合わないことができるのかな」と苦笑いする。

 作業は妻の道江さん(87)と2人で行う。跡継ぎ候補の息子がいるが定年後に再雇用されたため、あと数年は2人きり。「ずっと変わらないことをやっている。農業には上司もいないし、ストレスもない。それが年寄りには合っているのかなぁ」。

 来年2月にはいよいよ90歳。卒寿になっても、イチゴ作りはまだまだ現役だ。

 同園のイチゴは夢未市にも卸しており、来年1月12日(土)に夢未市で行われる「あつぎいちごフェア」にも出荷する。
 

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