横内謙介の劇場シアター談義 ―19―
創造的ということ
今年も時々書かせて頂きます。どうぞよろしく。
パルコ跡地の利用について意見を求められた時、スタジオにせよギャラリーにせよ、創造的な場作りをしたいと思うなら、特定のアーティストやプロデューサーの感性に思い切って委ねた方がいい、と私は主張しました。多目的は無目的になるに決まっているから、多少独善的であっても、魅力のあるプランを出してくれる人に企画や運営を託そうよ、ということです。
それはお役所の最も苦手とする決断だと思います。アイデアやデザインが突飛であればあるほど、アレルギー反応も大きく出て、市民から苦情が寄せられるに決まってますから。
しかし文化的なフロアぐらいは、最大公約数の合意など求めず、強烈な個性が強引に大衆を引っ張ってゆくような場所にしてもいいだろうと思うのです。なぜなら、文化芸術とは、本来そういうものだからです。後の世の天才は、現れた時にはたいてい狂人扱いされているものです。だがその並でないセンスとパワーが、人々を目覚めさせたり、元気にさせたりするのです。みんなの意見でピカソやビートルズが生まれるはずないのです。
そんな個性を抱えられる町こそ、元気な町だろうと私は思うのです。
劇作家・横内謙介
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