横内謙介の劇場シアター談義 ―20―
厚木版・題名のない音楽会
こんなに敷居が低くて、中味のあるクラシックコンサートがあったろうか。１月27日文化会館で開催された『Ｓコンサート』は、たった一回小ホールでの公演というのが極めて惜しい音楽会だった。厚木に縁のあるオペラ歌手、演奏家たちが集って、初心者にも楽しめる舞台を作り上げるという催しで、出演者が一曲ごとに解説や、豆知識などを加えてくれて、イタリア語やフランス語の歌をグッと身近なモノにしてくれた。特にメインで司会進行していたテノールの上原正敏さんの話芸が軽妙にして温かく、私のような素人でも飽きることがなかった。しかもバリトンの森口賢二さん、ソプラノの中山明美さんらの実力は、ご当地歌手というレベルを超えた国際的なものなので、音楽が響き歌い出したら、たちまち文化会館がオペラ座とかミラノ座のようになるのだった。
とても良くできたクラシックのバラエティ番組のようで、こんなものを自前で作り上げ、千円のチケット代で見せている厚木とは何と豊かなクラシック・シティなのだろうと思った。見逃した人たちは大損こいてます。もっともその前にそんな良い催しがあるなら、しかと知らせろって話ですよね。そこで告知、来たる２月16日はショパン演奏の女王・小山実稚恵さんのピアノコンサートがあります。これも必見必聴です。
劇作家・横内謙介
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
＜PR＞
