今年5月に厚木市が開設した「幼稚園送迎ステーション」。アミューあつぎ8階の託児室わたぐもを中継地点として児童を預かり、朝と夕方の2回、市内の幼稚園へバスで送迎を行う。全国初の試みとして注目され、来年4月に待機児童ゼロを目指す厚木市にとって、その活用が期待されている。しかし、運用開始から5カ月が経過した現在の登録者数はのべ8人で、定員30人の3分の1にも到達していないことが分かった。
この制度の大きな目的は飽和する保育所から幼稚園への移行を促すこと。今年4月時点で保育所の待機児童数は28人。一方で市内の幼稚園の定員にはまだ余裕がある状態だ。通勤の途中で子どもを預けられ、延長保育でカバーしきれない時間帯の保育を行うことで幼稚園を選択肢に増やすことがこの事業の役割の一つだ。当初予算は850万円。
市子ども育成課によると、事前に保護者を対象に行った調査では、利用を希望する声はあったという。同課の白井行彦課長は、「年度途中での移行が難しかったのではないか」と話す。
実際に利用をしている保護者からの評判は上々のようだ。現在5歳の息子を預ける石橋由美さん(鳶尾在住)は、仕事のある週3日、夕方のみ利用している。朝は近所の幼稚園へ直接送り、夕方は仕事場から近いステーションへ迎えに来ている。「ここに預けるまでは仕事が終わってすぐに迎えに行かないといけなかった。車がない自分にとってはありがたい」と満足げだ。
石橋さんのように、車のない人や電車通勤の人のニーズは大きい。しかし、車を持っている人は直接、車で迎えにいっているという話もある。白井課長は「初年度ということで、具体的な利用見込みは設定していない。来年度の利用者拡大に期待していきたい」と話した。
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