王子二丁目自治会館で毎週火曜日に開かれている「コミュニティサロン(火曜サロン)」。昨年10月の開設以来、住民が自由に立ち寄り、交流を深める場、「シニアが輝く地域づくり」のモデルとして注目を集めている。
王子二丁目地区は、小田急が開発して1975年ごろに入居が始まった戸建ての団地で、現在、自治会の加入は174世帯、約480人が暮らす。65歳以上の高齢化率は45%超と市内で最も高いという。
火曜サロンは地域の福祉活動や高齢者の居場所づくり、交流の場づくりが主な目的。地域住民35人で組織する「ボランティアの会」が運営し、必要経費は緑ヶ丘地区地域福祉推進委員会交付金などを活用する。
毎週火曜日の午後1時半から4時まで自治会館を開放し、無料でお茶やお菓子を提供。訪れる人同士がお茶を飲みながらのおしゃべりや囲碁、将棋、折り紙などができるようにしている。
また、毎月第3火曜日はイベントサロンとして、地域包括支援センターの職員による健康講話や住民による趣味の話や作品展示、外部講師による講演、映画や音楽鑑賞などを企画。イベントがあるときは1回あたり平均25人が、通常のサロンは平均9・4人が訪れている。
3月17日のイベントサロンでは、トレーニングバンドを使った健康体操の実演や、市文化財保護課の職員による歴史講座、昭和の演歌の合唱などが行われた。また、住民が自作した油絵も展示され、参加者は休憩中などに鑑賞した。
仲間づくりのために、これまでもよくサロンに参加しているという水谷清さん(76)は、「今まで知らなかった世界の話が聞けて面白い」と感想を話す。
小さい単位で福祉活動
火曜サロンの活動は、市外のボランティア団体からも注目されており、見学の受け入れ、情報交換会なども実施している。
ボランティアの会の代表で、厚木市地域福祉推進協議会の会長も務める池田正さん(77)は、これからの福祉活動について、公民館単位よりも小さな自治会単位が重要になると言う。
「自治会の組ごとに見守りが必要な人を把握してサポート役が窓口になる『向こう三軒両隣』が理想形。サロンを通じて、身近なコミュニティー、人間関係づくりができれば」と語る。
「一人暮らしの高齢者が気楽にサロンに参加できる雰囲気や、手を差し伸べられる環境づくりが今後の課題になる」と加えた。
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