神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS

アユ育成水槽を増築 安定供給と漁業振興めざす

文化

公開:2018年10月12日

  • X
  • LINE
  • hatena
アユ中間育成施設の平面図。右下の赤で囲った部分が新設される水槽(同連合会提供資料を一部加工)
アユ中間育成施設の平面図。右下の赤で囲った部分が新設される水槽(同連合会提供資料を一部加工)

 市内三田にある神奈川県内水面漁業協同組合連合会(山口芳郎代表理事会長)が所有するアユ中間育成施設「厚木あゆ種苗センター」の水槽増築工事が、11月から着工となる。これにより、放流用アユが大幅に生産可能となる。

 アユは厚木のシンボルともいえる魚。相模川では古くからアユ漁が行われており、大正時代には多くの屋形船が浮かび、日本各地からアユ料理を求める人が訪れ、賑わいを見せた。このアユの安定供給と漁業振興をめざし、内水面漁連では相模湾産と、より野生に近い人工産種苗「相模湾産短期継代」を放流している。しかし今まで中間育成施設の生産量が少ないため、他県から種苗を購入し賄ってきた。そのため安定的な供給ができず、魚病の発生や輸送コスト高などの問題があった。

 育成施設を増築することで、天然種苗に近く野性味があり、防疫性の高い放流用種苗の供給量を増やし、漁獲量の向上をねらう。放流に適さないサイズは食用にし、消費拡大も同時に図っていく。

6基を増築

 増築される水槽は、飼育用の11×11m(150t)の水槽4基と、8×8m(65t)の2基の合計6基で、今年度中に完成予定。今までは既存の水槽6基で約3tの放流用アユを生産していたが、増築後は8tが生産可能となる。これにより、魚病のリスクと輸送コストが軽減されることにもなる。

浜の活力再生プランを活用

 育成施設は2016年に、市内の第二漁業協同組合から受け継いだ。しかし12基ある水槽のうち、6基は築60年ほど経って老朽化しており使用できず、翌17年末に解体。このたび増築工事を着工する運びとなった。

 事業費は、農林水産省の「浜の活力再生プラン」を活用。総事業費約1億4千万円のうち、約7千万円を浜の活力再生交付金で賄う。残り半分は、約2300万を県が、残りを内水面漁連のほか、厚木市、相模原市、平塚市、海老名市、座間市、寒川町、愛川町、清川村の8市町村が、漁業協同組合員数の比率に合わせて出資する。

 例年アユ中間育成施設では、1月に約0・8gの稚アユを水槽に入れて、4月から7月に15〜20gに成長したものを放流している。来年は3月末の育成水槽の完成を待ち、業者に預けたアユを水槽に戻して、以降試験的に放流していく予定。

厚木・愛川・清川版のトップニュース最新6

生物多様性の回復へ

厚木市

生物多様性の回復へ

自然再興へ県内初宣言

5月3日

地域とつながる新施設

神奈川工科大学

地域とつながる新施設

KAIT TOWN竣工

5月3日

市が子ども向けマップ

カーボンニュートラル

市が子ども向けマップ

「実現には共有必要」

4月26日

買い物弱者へ移動販売

(株)いなげや

買い物弱者へ移動販売

見守りで愛川町と協定

4月26日

健康増進に民間の力

清川村

健康増進に民間の力

地域活性化企業人受入れ

4月19日

公共施設2カ所を木質化

厚木市

公共施設2カ所を木質化

間伐材利用の促進を図る

4月19日

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 5月3日0:00更新

  • 4月26日0:00更新

  • 4月19日0:00更新

厚木・愛川・清川版のあっとほーむデスク一覧へ

バックナンバー最新号:2024年5月3日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook