スマホを落とした
昨年秋、ガラケーをスマホに替えた。最近は仕事のメッセージをラインでやり取りするという人たちが増えて、ガラケーであることを理由にそのグループに参加しない私は度々、顰蹙(ひんしゅく)を買っていた。それでも私の人生はガラケーで充分だと思っていて、ガラケー組の最後の砦となる覚悟でいた。そんな私がついにスマホ勢力に屈したのには大きな理由がある。
『スマホを落としただけなのに』というミステリー小説を舞台化する仕事を引き受けたからである。スマホを落とした若いサラリーマンとその恋人が、希代のハッカーにして殺人鬼という凶悪犯の標的となるという物語で、映画化もされたベストセラーだ。実は、作者の志駕晃(ペンネーム)さんが厚木高校出身で、舞台化をするなら、母校の先輩に頼みたいと私を指名してくれた。更に言うと、この人は某ラジオ局に勤めるサラリーマンで、趣味として余暇を使って書いた作品を大ヒットさせた才人だ。
その天才後輩の気持ちに応えなくてはと、年末からその脚本執筆と必死に格闘している。スマホを巡る専門的な情報が、事件のカギとなるのでそちら方面の勉強も不可欠だ。『スマホも持っていないのに』では、仕事にならないのである。
にしても、この原作は面白い。質実剛健がモットーの厚木高校も時々、こういう傑出した変わり種を輩出する。
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