厚木市の森の里小学校(三橋裕美校長)で8月31日、人型ロボット「Pepper(ペッパー)」を活用した道徳の授業が同市内で初めて行われた。子どもたちは授業を通して、「相手の立場を踏まえて、自分たちにどんな手助けができるか」を考えた。
今回の授業は、神奈川県が提唱する「ともに生きる社会かながわ憲章」の理念普及の一環。県は包括連携協定を結ぶソフトバンク株式会社と、県教育委員会と連携し、小学生を対象とするペッパーを活用した教材を制作。今年4月から県内小学校道徳科でこの教材を活用した授業をスタートし、厚木市内では森の里小が初となる。
同教材は、お互いに支え合い、助け合うことができる「ともに生きる社会」の実現に向けて、子どもたちが親しみやすいペッパーを活用しながら、「思いやりの心と親切」に係る意識の醸成を進め、憲章の理念を普及しようというもの。正式名称は、『Robo Blocksスクールテンプレート「思いやりの心と親切」』(時間/約40分)。具体的には、ペッパーにとっての困りごとを考えることなどを通じて、相手の立場を考え、思いやりのある行動をとろうとする心情や態度を育むことをねらっている。
ペッパーの困りごとは?解決策を考えよう
同小では、6年生(38人)を対象に実施。まず、「ペッパーが一緒に生活したら困ることってなんだろう?」と子どもたちが実際の場面を想像しながら指摘。次にその解決策をみんなで考えた。さらに「もし街中で困っている人がいたらどうするか?」、「実際に自分は勇気をもって思いやりのある行動がとれるか」などについて、いろいろな場面でペッパーと触れ合い、やり取りをしながら各自考え、発表していった。
子どもたちからは思いやりのある行動が次々と挙げられたが、行動に移すにはかなり勇気が必要との正直な言葉が多く出た。担当教諭は、「行動ができないから何もしないのではなく、相手のことを考えることだけでも思いやりであり、いろいろなかたちの思いやりがあることを考えることが重要」と諭した。
終了後、子どもたちからは「障害のある人や高齢者に、最初は戸惑うかもしれないけど積極的に声をかけたい」「今までよりも人の役に立てることをやっていきたい」などの感想が聞かれた。
三橋校長は「高学年になるほど本音を出しにくくなる中で、ペッパーくんだからこそ、深く冷静に、素直に考えられたのでは。心を耕すためにも考える授業は大切」と話していた。
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