神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS

青空おやつ 県が表彰 2人のデザイナーが発案

社会

公開:2023年3月10日

  • X
  • LINE
  • hatena
厚木中央公園の一角で描く子どもたち
厚木中央公園の一角で描く子どもたち

 厚木中央公園で子どもたちが絵を描き、作品を誰かのおやつに交換する「青空おやつ」活動が、第16回かながわ子ども・子育て支援草の根賞に選ばれた。小さな優しさを持ち寄る仕組みが「新しい子育て支援の形」と評価され、県内外からも賛同が寄せられている。

 公園の一角に敷かれた四畳半ほどのブルーシート。青空おやつの看板を囲むように子どもたちがクレパスを握る。絵のテーマは「まほうのステッキがあったら」「何かにヒゲをはやす」などユニークなものばかり。完成した作品をスタッフに渡すと、おやつと交換してもらえる。

 このイベントを続けるために欠かせない、おやつを確保する手段が「おやつのたね」だ。ネット上で販売し、企画に賛同してくれた人が購入する。運営側はお礼状とともに、子どもたちの描いた作品を送る。そして次回開催用のおやつが確保できる。こうした顔の見えない賛同者たちがサイクルを支え、これまで28回続いてきた。

 子どもたちは描くことで誰かの役に立つことを感じられる。毎回参加する子や、会場で手伝ってくれる子もいるという。

 この仕組みを考えたのは、厚木市寿町のデザイン事務所「ティラミス」の鈴木洋子さん(47)と共同経営者の松村剛司さん(45)。きっかけは5年ほど前に参加した「緑のまつり」。会場で子どもたちに緑に関する絵を描いてもらい、すごろくをプレゼントした。楽しそうな子どもたちの姿の中に、お風呂に入っていないと思われる子がいた。まだ涼しい季節なのに、薄手の服を着ている。イベント後にコロナ禍となり、学校給食中止のニュースが目に入った。「あの子はどうしているのかな」――その思い出がきっかけで「あおぞらおやつ」の仕組みを思いついた。市に公園利用を相談し、3年前に第1回が実現した。「おやつのたね」を購入してくれる賛同者は、厚木市だけでなく、遠くは関西在住の人もいる。もっと多くの人が気軽に参加できる仕組みづくりが課題だ。「子どもたちが楽しんでくれればそれでいい。大人になって『良かったな』と思い出したり、思い出さなくてもいい」と松村さん。

 次回は3月25日午後1時半から厚木中央公園で予定。雨天中止。詳しくは「あおぞらおやつ」でネット検索を。

ネットで協力できる「おやつのたね」
ネットで協力できる「おやつのたね」
松村さん(左)と鈴木さん(右)
松村さん(左)と鈴木さん(右)

厚木・愛川・清川版のトップニュース最新6

生物多様性の回復へ

厚木市

生物多様性の回復へ

自然再興へ県内初宣言

5月3日

地域とつながる新施設

神奈川工科大学

地域とつながる新施設

KAIT TOWN竣工

5月3日

市が子ども向けマップ

カーボンニュートラル

市が子ども向けマップ

「実現には共有必要」

4月26日

買い物弱者へ移動販売

(株)いなげや

買い物弱者へ移動販売

見守りで愛川町と協定

4月26日

健康増進に民間の力

清川村

健康増進に民間の力

地域活性化企業人受入れ

4月19日

公共施設2カ所を木質化

厚木市

公共施設2カ所を木質化

間伐材利用の促進を図る

4月19日

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 5月3日0:00更新

  • 4月26日0:00更新

  • 4月19日0:00更新

厚木・愛川・清川版のあっとほーむデスク一覧へ

バックナンバー最新号:2024年5月4日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook