設立10周年を迎えた生涯学習センター「まなびかん」で事務局長を務める 岡野 廣隆さん 西逸見町勤務 62歳
学びの拠点でつながる
○…市内の生涯学習の拠点として誕生した「まなびかん」が先ごろ設立10年の節目を迎えた。好奇心も学ぶ意欲も旺盛なシニア世代の増加を背景に施設のニーズはますます高まっている。「生涯学習の定義は『いつでも、どこでも、だれでも』。学びの意欲を刺激するような内容をもっともっと用意していきます」と柔和な笑顔を浮かべる。開講している「市民大学」は教養や知識を高める講座だけでなく、地域の課題解消を目的としたものにも踏み込む。がけ地を多く抱える地域特性を考慮し、防災をテーマにした情報提供に努めるなど内容は多彩だ。
○…ユニークな取り組みのひとつに講師を育成して地域にデビューさせるという養成講座がある。学び得た知識や趣味の世界を地域に還元してもらうことが狙いだ。「教えたり、教わったりの良好な関係」と話すように学びの連鎖の種まきを展開。これが地域コミュニティの醸成に一役を買っている。
○…ネットワークの下地作りには行政マンとして過ごした経験が役に立っているという。田浦行政センターで館長を務めていた頃、疎遠だった自衛隊と地域との関係強化に尽力した。自衛隊病院が地域の方を受け入れてくれるようになったのはその成果だ。今、第二の職場でも組織の進化に熱く挑む。保健福祉大との連携で移動教室を実現させたほか、学びの機会均等をめざして来年度は市内西地区で講座を開設する準備も進めている。「連携の枝葉を次々に伸ばしていくことで新たな可能性が誕生します」。
○…30数年にわたって横須賀の子どもたちにラグビーを指導してきた。成長を見続けてきた生徒の数は優に千人を超えるという。「これが自分にとっての生涯学習であり、ライフワークです」。分野を問わず、好奇心や向上心を持ち続けて地域と関わっていく─これが人生に潤いをもたらしてくれることを誰よりも知っている。
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