今週末、会津若松市で「思いやりコンサート」を開く横須賀市合唱団体連絡協議会の会長 山田 茂雄さん 太田和在住 72歳
「心の溶け合い」それが合唱
○…取材時は穏やかで物腰柔らかい印象だったが、ひとたび指揮棒を手にすると、別人のような引き締まった表情を見せた。震災と原発事故による風評被害を受けている友好都市の会津若松市を、今年も訪れる合唱団体連絡協議会。会津の人々に元気になってもらいたいと、メンバー52名がコーラスを披露する。「歌は人と人との心の溶け合いです」。会津を応援したいという純粋な思いでタクトを振り、歌声に乗せて届ける。
○…きっかけは一本の電話だった。自身が所属する合唱団「コールよこすか」では、数年前から会津の民謡グループに指導を受けるなど交流があった。震災の翌月、その代表者から合唱を通じて会津を激励してほしいと、電話で依頼を受けたという。今、自分たちにできることは何か。協議会メンバーの「思いやり」が形となり、昨年コンサートが実現。〈わが街はつねに豊かに おおらかに未来を望む…〉 披露した、組曲「横須賀」の歌詞は、立ち上がろうとする会津の人々に勇気を与えた。
○…合唱との出会いは横須賀高校時代。音楽部に所属し、合唱の虜になった。全国大会に出場するなど、結果も残した。一番の魅力は、ハモリが決まったときの感動体験だという。将来は音楽の道へ。当時から進むべき方向を見定めていた。もしあの頃、合唱に出会っていなければ…。自身にとっても、そして横須賀にとっても、未来が大きく変わっていたかもしれない。
○…仕事は中学校の音楽の教員や指導主事に携わった。それ以上に、小原台小とろう学校の校歌を作曲し、初代校長を務めた野比東小の校歌を作詞したことには驚かされた。〈私がすき あなたがすき この町がだいすき〉は野比東小の教育目標。歌い継がれる校歌を通じて子ども達を見守り続ける。「将来の夢ですか? 合唱がもっと横須賀に広がって、心の豊かな街になってほしいですね。みんなで切り拓いていきたいです」
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