横須賀市市民大学の出前講座で講師を務め、新聞の教育活用などを提唱する 影山 清四郎さん 大津在住 71歳
活字を愛してやまない
○…新聞が読まれなくなったら、一体どんな社会になるのだろう―。いくらネットや通信の技術が発達しても、「想像できないですね」と、しみじみと語る。教育に新聞を活用するNIE(Newspaper in Education)活動の最前線に立ってきた。3月で横浜国立大学を退職。現在は市民大学の新聞活用講座(開講中)で講師を務めるなど活動の幅を広げる。「地元密着で横須賀を元気にしていきたいです」
○…各紙1面トップは五輪での日本勢メダル獲得の話題ではなかった。税と社会保障の一体改革関連法案の早期成立に3党首が合意したことを報じた8月上旬、自宅でとっていない新聞2紙を駅の売店で購入して取材に応じてくれた。各社が何にウェイトを置いているのか。長年の癖で読み比べる。「消費増税もそうですが、一つの事柄に対して賛成でも反対でも自分の意見をもつことが大切です」。メディアを鵜呑みにしない目を養うことも重要だという。
○…大学の教員時代は社会科教育が専門。「自然と新聞との接点があり、全国で開かれているNIEの大会にも関心がありました」。98年に県のNIE推進協議会会長、05年には日本NIE学会の会長に就任。新聞の活用が学習指導要領に順次盛り込まれるなど、教育現場での進展はある。一方家庭でも、ある保護者は子どもに読んで欲しい記事をトイレの壁に貼ったという。「自然と目が行きますからね。それから世の中の出来事に興味をもって新聞を読むようになったそうです」
○…講師を務めるのは「新聞を活用したコミュニケーション入門」と題した講座。決して堅苦しい内容ではない。「新聞を読んで、隣近所でおしゃべりをする感覚でいいんです」と、物腰柔らかい様子で語る。「我が家でのおしゃべりの内容ですか? 横須賀のニュースが多いですよ」。大型店の進出・撤退や、跡地利用は誰もが気になる話題。横須賀に住む地元民ならではの目線も見せてくれた。
|
<PR>
|
|
|
|
|
|